第5話
「あ~あれは不法投棄のゴミなんだよ」
「ゴミって?」
「誰かが電気製品や廃タイヤなんか捨てるんだ」
「へ~悪い人がいるんですね」
「稔君の世界ではこんなことはないんだろう?」
「はい。ないです」
「要らない物はどうしているんだ?」
「生ゴミのように循環社会になっているんです」
生ゴミ以外の循環はどうなっているんだろう?
店長は改めて稔に聞いてみた。
「稔君の世界ではどのように循環してるの?」
「この間、大規模リサイクルセンターに学校から見学に行ったんです」
「大規模リサイクルセンターって何?」
「すべての要らない製品を回収する所ですよ」
「すべての要らない製品って?」
「さっきのような電気製品や家庭用品すべてです」
「それは無料?あ!お金は無いんだった(笑)」
「それらは回収するの?それとも・・・」
「持って行くのもいいし定期的に回収しますよ」
「それなら資源が無駄なく使えるから安心だね」
「不法投棄を回収する労力がもったいないですね」
「そうなんだよ。何をするにしてもお金が要るんだから初めからセンターを作ったほうが良いね」
「一つ気になったんだけどね車も回収するの?」
「はい。車も回収して中古車が新品のようになるんです。でも新型がよく作られますよ」
「それはどういうこと?」
「いくつかモデルを作って人気投票するんです」
「人気投票で多かった物を生産するってこと?」
「はい。そうなんです。みんな楽しんでいます」
「何だかそっちの世界のほうが楽しそうだな~」
「でも、好みに合わせて改造車もありますよ」
「ますます憧れるな~(笑)」
店長は現実の世界との違いを感じていた。
そろそろ
店長の家に近付いた。
車は店長の自宅の車庫へ静かに入っていった。
そして玄関を開けると
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