第11話

ミニバンに駆け寄ると先輩は男たちを相手にかろうじて抵抗していたがやはり多勢に無勢、両脇をロックらされ拉致されるのも時間の問題だった。

突然だが僕の家は古い家系だ。一族代々ある「特異体質」が遺伝している。祖父や両親に人には絶対言うな、見せるな、と

口酸っぱく言われていた。普通の人と比べて体の「ある箇所」が倍あるのだ。

そうこう読者に解説しているうちに先輩から一番距離がはなれたところにいた男が僕に気がついて「ンダオラ!ッスゾ!」

と聞き取れない罵声を浴びせなが木刀を持って振り向いた。

それに反応してTVでやっていた海外の衝撃映像の動物みたいに一斉に振り替える男たち、手には、木刀、警棒、スタンガンチンピラ武器の博覧会だ。やはり聞きとれない罵声を一斉に浴びせてくるので、それを無視して先輩と隣にいるリーダー格の男を一瞥する。

当初男たちは先輩をスタンガンで気絶させて拉致しようとしたようだが武術の心得がある先輩に手こずり、リーダー格の男が持っていたスタンガンも急激な運動で吐いた先輩の吐瀉物がまともにかかり故障してガラクタと化したようた。

漏電とか怖いしね。

「ごめんなさい、その人を離してどっか、消えてくれませんか?」僕は男たちに呼び掛けた。

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