第8話

それから約一時間後、注文した料理とは別に、店長から感謝の印として名物のクロブランというカロリー爆弾を振る舞われ会計も無料にしてもらい僕たちは店を出た。

二人とも腹の中はパンパンだ。今全力疾走すると、多分さっき食べたものが上がってくる。

「ごめんな、ついカッとなってやっちまった

佐崎にも迷惑かけたな」

しゅんとなって謝る先輩

「うっぷ、本当に……無茶しないで下さいよ最近物騒なんですから、夕方のニュースに出ちゃいますよ」

「はは、ごめんごめん」

悪びれず、そう応じる先輩

「何か発言と態度に齟齬があるみたいなんですが……」

「しかし、得したなあ、人助けして、しかも飯も奢って貰えて」先輩が強引に脱線しかけた話題を軌道修正する。

何かこの人学校にいる時とキャラ違わないか?普段は猫被ってやがるな

こんにゃろ~、と思ったがおくびにも出さず僕は話を合わせて

「何か全然悪いと思ってるように見えないんてすけど」

と言ってやったら返す刀で先輩が

「ふっ、この宮本先輩にたっぶり奢って貰えてよかったな

一生の思い出にしろ!小説ならクライマックスの感動シーンだぞ!」とどや顔で言った。

「……」

おめでたい人には何も言えねぇ……

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