ラノベ作家は二刀流使い

月乃兎姫

第1話

 二刀流と聞くと、人によっては【戦国時代】や【西洋騎士】の人たちが持つ武器のことを思い浮かべるが、現代においてwebサイトに投稿している小説家たちも同様に二刀流使いとも呼べる。それは小説を書くことは元より、仕事や学業なども含めてのことである。

 ラノベ一本、小説一本で食べていける【専業作家】と呼ばれる人たちは決して多くはない。むしろほとんどは何かしらを生業に生計を立てている。だからこそ【兼業作家】と呼ばれる者たちが、この業界を下支えしているのが実情なのだ。


 彼らの多くは時に仕事や学業で、時にペンや筆の代わりにキーボードやスマホ画面のタッチ面を武器に二刀流で戦っている。時代が移り変わろうとも、触れる媒体や作業工程が変わるだけで、本質的には何も変わることがない。


 また小説を書くということは、時間が空いていれば簡単にできるなどと単純なものではない。仕事終わりや学校帰りに、体力はもちろんのこと精神までをすり減らし、そのうえで物語を綴る。

 物語の完成未完成を問わずして、そこには命が宿ることだろう。その人なりの目線や思考、または嗜好や趣味などを余すことなく文字にする。それこそまさに人生そのものを描いているのだ。


 人は誰でも両手に武器を持つことができるが、何もその形態は武器である必要はない。今の時代はネットという新たなツールによって、その傾向がより顕著となっている。誰でも情報を発信し、例えそこが戦地であろうとも、ネットを通して自らの意見や主張をすることができるのだ。まさに二刀流使いとも呼べることだろう。

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