第46話 堕天使

 数千年前、共に闘った邪神龍八岐大蛇が我らを庇い、須佐之男命に封印されてしまった。邪神側のリベンジを防ぐため、世界神会議で邪神討伐機構なるものが設立された。対抗する力を取り戻すために、我らは仲間と共にダンジョンを創り、身を隠した。

 コキュートスはダンジョン造りのエキスパートで、50層、70層、90層と掘り下げ、神界にいる神々に見つからないようにしてくれた。

 Lv5000だと90層までしか拡張できなかったので、最下層に住む我ら4体は切磋琢磨し、レベル上げに勤しんだ。

 そもそも、我が堕天使の烙印を押され天界から追放されたせいで、皆を巻き込んでしまったのだから申し訳ない。

 コキュートスとリヴァイアサンには迷惑をかけっ放しだし、ベルゼブブは兄弟のように接してくれる。


 Lv6000になれば100層まで拡張できる。いつか天界に復讐し、東方に捕らえられてしまった同胞を助けるべく、我ら4体は永い時をレベル上げに勤しむ。

 果てしない努力の末、Lv6000に到達し、最下層が100層まで拡張された。

 ここからはLv100上がるごとに1層ずつ掘り下げられることを知り、引き続き頑張った。

 いつしかLv6600になり、106層まで拡張できたのだが、Lv6666になってから、何年経ってもレベルが上がらなくなった。

 

 これはおかしい。

 4体で話し合った結果、それぞれ分神体を創り、天界に行って調査を行なうことになった。

 Lv666の分神体4体は、本体と常にリンクできる。

 コキュートスに地上に転移させてもらい、天界を目指した。

 我の分神体は、天使だった時の感覚でそのまま上空を上がり続け、天界にたどり着く。4000年ぶりの天界は様子がだいぶ変わっていて戸惑ったが、他にここにたどり着く方法がないか天界を探し回る。

 レベルの低い天使を見つけ聞いてみると、仙界ダンジョンというものがあり、そこから人間界にたどり着けるようだ。

 すぐに仙界に降り、仙界ダンジョンを見つけ、一気に駆け抜けて人間界に出る。

 コキュートスとリヴァイアサンとベルゼブブの分神体を呼んで合流し、再び天界を目指すために仙界ダンジョンに入る。

 レベルが低い仙界ダンジョンを一気にクリアし、天界に上がった。

 我ら4体は天使に化け、同胞のふりをして、天使を見つけては聞いて回るが、知る者はいなかった。仕方が無いので、天界ダンジョンに入り、これをクリアし神界に行って確かめることにした。4体で力を合わせ、瞬く間に天界ダンジョンをクリアし、神界に入る。

 闇魔法で対神聖結界である暗黒結界を纏いつつ、上級天使の格好をして神界を調査するが、下級神は何も知らないようなので中級神を見つけて聞いてみるが、上級神に聞いてくれと言われ、中級神でも知っている者はいなかった。

 流石に上級神に話し掛ければ素性がばれてしまうのではと躊躇していたが、玉砕覚悟で探すと、おしゃべり好きな上級神がいて教えてくれた。

 要約すると、太古の昔、神々の戦いがあって、被害が大きくなったことを嘆いたゼウスの父、最上高神クロノスが、今後、神に敵対するものはレベルの上限を6666に設け、50%ステータスアップを使われても、Lv9999までに抑えるように、この星に誓約を掛けたようだ。

 当時の最高神や巨神たちはLv10000超えだったから、50%ステータスアップを使ってLv15000。Lv9999までなら簡単に抑えられるから、Lv6666以上にならないようにしたというわけか。

 レベルが上がらなくなった理由はわかったが、50%ステータスアップの話を聞けたことは朗報だ。我らの本体は50%ステータスアップを使って瞬間的にLv9999に上げられることがわかった。我ら分神体もLv999まであげられるということだ。作戦次第で八岐大蛇を救出できるかもしれない。

 とりあえず、神界に長居は無用。奈落ダンジョンに戻って作戦会議だ。1度ダンジョンをクリアしたものは、瞬間移動で戻れるようで、一気に人間界に飛び、奈落ダンジョンに戻った。

 

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