第2章 悪魔道2編

第45話 プロローグ

 時は、西暦3000年、ネット古物商で900年前に製造中止となった怪しげなゲーム機がソフト2本付きで出品されていた。

 高校1年生になった鞍馬天子(てんこ)はゴールデンウイークで国立異能力開発高校が1週間休みになって、暇を持て余していた。

 スマホで暇つぶしにいろいろ検索していたら、怪しげなゲーム機を販売するネット古物商に行き当たり、つい勢いで購入してしまった。

 付属のゲームソフトは、【VRの中で天使や悪魔になれる】、当時は革新的なゲームだったらしい。

 電脳空間が行きかうこの時代に、なんてレトロなんでしょう。


 即配便で注文したので、30分ほどで届いた。

 すぐにセッティングして、電源を入れ、どちらのソフトから始めるかパッケージを読むと、

 天使道2は、天使になりかける人間が主人公の、愛と苦悩の青春ラブストーリーがメインテーマで、

 悪魔道2は、主人公がいきなり邪神の子供として生を受けるところからスタートする。しかし、その残虐性や恐怖から、当時一部の国では wicked and cruel behavior《邪悪な、残虐な行動》として、R20指定を受けたようである。

  ラブストーリーのゲームなら巷に溢れかえっているが、悪魔やら邪神やらは時空管理局の庇護下にこの星が入ってからは、かん口令が敷かれ、処罰の対象となるので、映画やアニメ、ゲームなどでも製造販売が禁止となっている。


 悪魔道2を見ていると血がたぎる、高校での鬱憤をここで晴らす勢いで悪魔道2を始めることにした。


 設定を読むと、マルチバースによっていくつも発生した地球の2番目に転生するらしい。


 実際に主人公になりきらないと面白くないので、メインモードを選択。


 利用時間は旧型でも24倍速が選べたので、7日で168日分体験できる。


 168日経過してクリアできなかったら、いったんセーブされて、意識が覚醒させられる。


 学校がゴールデンウイークで1週間休みなのを利用して、目一杯やってみることにした。


 最新のゲーム用ベッドに入り、スタートを押すと、オープニングムービーが流れ、簡単な時代背景を声優さんが読み上げるところで、意識が途切れ、地球2の世界がスタートした。




 

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