第33話 3月15日 お礼の電話

 宿で朝食を食べ終わり、2人でレンタカーに乗って少し離れた山を見にいく。


「マグマは落ち着いているようじゃな。」

 と独り言が聞こえたがスルーした。

 あやみには聞こえないようだ。


 高速道路に乗って北に向かい、少し遅い昼飯になってしまったが、とんこつラーメンともつ鍋を食べて、飛行機に乗って帰って来た。ミッション完了。



 マンションに戻り、軽く夕食を食べて2人でまったりしていると、エレナさんから僕のスマホに直接電話がかかってきた。


「夜分遅くにごめんなさい、どうしても友達がお礼を言いたいそうだから、電話変わるわね。」


「初めましてトーマさん、エレナの親友の忍賀さくらと言います。」

「私、占いが得意でよく当たるのですが、日本に帰る日を占ったとき、昨日の便に乗ると墜落するかもと出るのに、その便に乗れという結果になったのです。」

「しかも、墜落しなかったら親友の妹の彼氏にお礼を言えと出たのです。」

「何度占っても同じ結果だったので、不思議に思われるでしょうが、ありがとうございました。」


 本当のことを言っても信じてもらえないだろうし、そもそも説明したらマズい。


「その件は、いいとして、さくらさんって忍賀カスミのお姉さんで、棟梁の娘さんですよね。」


「トーマさんってカスミが気になっている人と同一人物なの?」


「多分そうですね、先日も高校合格の挨拶をしに里に行って来ました。」

「さくらさんは僕の写真を見たことがありますか?」


「メールに画像が添付されてたことがあったから、見たことはあると思う。」


 この反応は、不細工な僕を思い出した時の反応だ。


 電話越しに認識改変の魔法が届くか試してみると、一瞬、息を呑む声が聞こえたので、成功したようだ。

 もかけておいた。


「あなたが合格した高校の特別講師として4月から赴任するので、よろしくね。」


「はい、こちらこそよろしくお願いします。」


「じゃあ、おやすみなさい。」


「おやすみなさい」


 思ったより電話が長引いてしまったので、あやみと一緒にお風呂に入って時間短縮。

 旅の疲れなど何も無いので、愛を育み。


 僕は天使Lv676、あやみはLv49+Lv24でLv73になった。

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