第31話 3月14日 ホワイトデー?

「おはよう、トーマ君♡」


「おはよう、あやみ」


 今回、あやみは土日がお休み。


「ホワイトデーだから、どこかで食事でもしようか?」


「どこへでもついて行きます♡」


 今日は未来視によると、地殻変動が起きて活火山が噴火し、上空に飛んだ溶岩が運悪く飛行機に当たり墜落するという大惨事が巻き起こる。


 神界ルールでは、介入禁止が原則だが、一応、まだ僕人間だし。それと、身近な人の大切な人が乗っている。



「そうだ、この前テレビで見た、カップルで行く砂風呂温泉に行こう。」


「はい、楽しみですね♡」


 急いで支度して、あやみの運転で空港まで行き、噴火する予定の県行きの便に乗った。


 空港や機内で僕らを見た人たちが、驚いた顔をしていたので、認識疎外を強めにかけた。いざ憧れていた人種になってみると、注目され過ぎるのも嫌な感じだ。


「2人で乗る初めての飛行機ですね♡」


「そうだな」


 過去に1度だけ家族旅行で飛行機に乗った時は、当然エコノミークラスだったから、今日は座席が広くて快適だ。あやみも楽しそうで何よりだ。


 着陸前に半径300kmを探知鑑定で把握しておいた。すでに地中深くマグマが煮えたぎっていて、今にも噴火しそうな勢いだ。


 砂風呂温泉に到着すると、宿泊を予約した宿に行き、砂風呂に入る。

 まだ地表面までは熱せられていないようだ。


 あやみにスリープをかけ、脱水症状にならないように、状態異常耐性100%をつけて絶対防御結界を張った。


 さすがゼウス様の魔導書の眷属用天使魔法、術者レベル1.5倍の効果を発揮できた。

 671×1.5=1006.5だから、Lv1000以下の悪魔などの攻撃までなら防ぐことができる。


 そんな悪魔など、ここにいるはずもないが。


 自分にも同じように結界を体表面に張り付けてから、瞬間移動で火口まで行き、一気に降りていった。


 何千メートルか下降して、マグマ溜まりに到達したので再度探知鑑定すると、表面の温度が3000℃もあり、地中深くでマグマがつながっている200km離れた隣の火山まで噴火しそうな状態だった。


 潜ったら熱そうなので、さっき自分の体表面に張った結界の上に、絶対零度の氷結魔法で防壁を作って二重にした。


 マグマ溜まりに手をかざし、遠くまで冷やす感じで、冷却魔法を掛ける。


 ドーム球場3つ分くらいのマグマを冷やしたけど、全然足りない。


 忍賀の里で前に召喚したことを思い出し、ゼウス様の魔導書の眷属用召喚獣一覧表(Lv580)を見ると、コールドの欄に、いくつか名前が載っていた。


 Lv600以上の上級天使は同時に2体まで召喚可能と記載があったので、Lv580のコキュートスとリヴァイアサンをタッチした。


 すると、いきなり目の前に2体の召喚獣が顕現した。


 コキュートスは3mくらいだが、リヴァイアサンは8mくらいあって、少し驚いてしまった。


 これ普通の人間にも見えるのなら、街中で召喚したら大パニックになってしまうな。



 一応、50%ステータスアップを2体にかけられるか試してみたらできたので、ひと安心。


 リヴァイアサンに確認をとってから上に跨り、ここからマグマの中に入り200km離れた隣の火山まで、大きな水流を作って冷やしながら突き進んだ。


 コキュートスは、冷やし切れていないところにアイスランスを打ち込みながら、後から付いて来てくれた。


 2体のコンビネーションで上手くいったようだ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る