第27話 お礼
「ひえーっ、めっちゃイケメン! あんたこんなにカッコ良かった?」
「そうだな、儂も驚いていたところじゃ。」
棟梁が昨年の夏に記念に撮ってくれた写真に手を伸ばして確認しようとしたので、写真の顔を修正し、2人には悪いが、記憶を改変させてもらった。
不細工だけど頑張り屋さんが、イケメンで頑張り屋さんに変更された。
「棟梁の推薦状もあったので、無事、高校に合格できました。」
「おめでとう」
「本当にお二人には感謝してもしきれません。」
「面接も重視する学校なので、資格や一芸に秀でてないと合格は難しかったと思います。」
「本当にありがとうございました。」
「いやいや、お前の頑張りが認められたのだから、儂らはその手伝いをしただけだ。」
カリストが完璧に偽装してくれたおかげで、僕がレベルアップしていることは、気づかれていない。
良かった。
合格のお祝いに猪鍋を振舞ってくれた。滅茶苦茶美味しかった。
昔話をしながら、和気あいあいと談笑していると、棟梁が改まって僕に聞いてきた。
「里を継ぐ気はあるのか」
「えっ」
急に言われて固まってしまった。
「以前は、結構本気で棟梁の後を継げたらと考えていましたが、すいません、僕、先日いろいろありまして、婚約者ができて、今一緒に暮らしているのです。」
「なので、ここに住んで棟梁の後を継ぐことは出来そうもありません。」
「先方のお義父さんが良くしてくれて、これからは小さな個人会社も経営することになりました。」
「そうか、それなら仕方がない。」
「ええっ、残念、棟梁になったら私が結婚しようと思ってたのにー」
「ごめんなさい」
良かったー、結構可愛いし親切にしてくれてたから、不細工ながらそんなことを夢見たこともあったので、結婚の約束をしてたら、今日2人に殺されていたかも。
今は不死だから、死なないとは思うけど。
「棟梁になってくれるなら、秘伝を伝授しようと思っていたが、諦めよう。」
「はい」
自分の境遇が変わり過ぎたせいで、何か悪いことしたなぁ。
せっかく来たのだから、泊まっていけと言われたが、丁寧にお断りして、里を出てから瞬間移動でマンションに戻った。
5時過ぎてちょうどあやみが帰って来たので、いつも通り晩ご飯を食べてから、愛を育み
僕は天使Lv618、あやみはLv44+Lv22でLv66になった。
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