第23話 神の水って何?

「そうなんだ、調子に乗り過ぎたかな、気を付けるよ。」


「私も実はギリギリみたいなんです。」


「えっ、何それ」


「トーマさんに憑いたおかげで、ゼウス様の魔導書の中級神魔法を私もインストールすることができ、ダウンロードに成功しました。」


「良かったですね。」


「はい、ありがとうございます。」


「それで、中級神魔法の未来視で自分の未来を見ると、私とゼウス様の関係を知った

 アポロン様が、私を陥れ、ゼウス様を糾弾する未来しか見えないのです。」


「神の貞操観念の基準がわからないので、何て声を掛ければいいのかわからないけど、お互い頑張って行きましょう。」


「そうですね、何か妙案が浮かぶかもしれませんしね。」


「ところでトーマさん、話は変わりますが、なぜ神の水を薄めたような飴を販売したのです?」


「神の水?」


「はい、状態異常や欠損まで回復させる水ですね。」


「まあそんな大それたものではないけど、僕が小学生の時、仲良かった祖父が肺がんで亡くなったのが、強く記憶に残っているのでそのせいかもしれない。」


「下位互換ではありますが、トーマさんも未来視を使ってみてください。」


「天使だとLv300以上のレベル数×日数分視れますので、315日先まで未来視できます。」


 途中視えない日もあったが、一気に315日先まで日めくりカレンダーのように視えた。


「日本中の人が毎日飴を舐めるようになって、会社が莫大な利益を上げて、ライバル企業や病院、製薬会社に多大な損害を与える結果になる未来が視えた。」


「そうですね、しかもの効果が付与されているので、数年後にはこの国のトップにもなれてしまいます。」


「独裁者にはなりたくない。」


「じゃあ、効果を1/3にして、なんとなくスッキリくらいに抑えよう。」


「そうですね、あと、さっき作った分身体はあまりおすすめできません。絶対に分身

 体と一緒にいるところを他人に目撃されないようにしてください。」


「私がトーマさんを上位天使にして良かったと言ってもらえるように、堕天使の烙印だけは決して押されないようにしてくださいね。」


「わかりました。」


 完全耐性があるので、ダメージは受けなかったが、先を読んで行動することが大切なことは理解できた。


 万が一、分身体と一緒にいるところを目撃されても大丈夫なように、認識疎外の防壁を自動探知に組み込んでおいた。



 気持ちを切り替えて家に帰り、晩ご飯を食べ終え、


「あやみ、今日も頑張っていこう。」


「はい、トーマさん♡」


 プロマッサージ師の施術が終わり、ブースト全開にして、全力の自分を鑑定してみると、Lv616だった。


 やはり1晩で天使レベルが1ずつ上がっている計算だ。


 あやみはどうなっているのか鑑定してみると、トーマ 人間(天使)の妻Lv63(50%ステータスアップ)になっていた。


 50%アップ前の素のレベルが毎日一つずつ上がってLv38がLv42になって+Lv21でLv63になったようだ。

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