第21話 3月5日 飴を配る?

「おはよう、トーマ君♡」


 朝から抱き着かれ、ちょっと長めのハグ。


「おはよう、あやみ。」


 新婚さんのような気分に浸る。



「そうだ、今、菓子工場で飴を作らせているのだけど、僕が作った試作品があるから病院のスタッフに配ってみてよ。」


「わかりました♡」


 神成製菓のホームページからも購入できるからと伝え、魔法で作っておいた1袋3個入り100円のラック飴を200セット渡す。


 あやみは病院に着くと、


「トーマ君から差し入れです。」


 と、院内放送で流してもらうと、和従の効果が続いているので、各科の看護師代表が一斉に集まった。


 この飴は12時間ほど効果があるようなので、早速お昼に舐めている人もいたが、あまりにもスッキリして、驚いていた。


 その日の晩は、日頃からストレスを多く受けがちなスタッフの多くが、ラック飴を舐めてから寝たようだ。




 当然次の日は、病院中、飴の話で持ち切りで、もらってない人は、どうにかして買えないのかと、あやみに聞いてきた。


「ホームページから直接購入できます。」


と答えると、皆ロッカーに行き、スマホから注文したようだ。


 あやみは帰ってからトーマにそのことを伝えると、


「大ヒットするとは思っていたけど、ほっとしたよ。他にもいくつか考えてあるから、時機を見て売り出したいな。」 と言っていた。


 こうなる事は分かっていたので、昨日菓子工場に行き、ところどころ魔法を使って製造ラインを確立し、できる限り商品を製造した。


 ホームページからも直接購入可能にしてあったので、ネットで拡散していたことも

あり、注文が結構入っていて、足りない分は魔法で作るようにした。


 昨日3万袋注文が入っていたが、今日はすでに10万袋注文が入っていた。


 SNSで昨日100万イイねだったが、今日は300万イイねがついていた。


 情報を聞きつけたECサイトとの契約や雑誌の対応は社員に任せ、もう一つの製造ラインを模倣魔法を使いラック飴専用に変えた。


 これで1日最大200万個製造できる。


 明日からは1袋5個入り200円の正式販売に切り替えて、お1人様5袋1000円で送料無料のみの販売にしよう。


 コンビニとかにおいてもらった方が助かるが、卸値を100円にすると儲けが減るので、落ち着いたら並行して販売していこう。

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