第17話 バズリ待ち

 昔と違って、会議中にイライラしても食後に一服したくても禁煙で煙草は吸えない、そんな時にラック飴を舐めるとスッキリして自然と顔が喜ぶ。


 夜寝れない人でもラック飴を舐めたら、すやー。


 それぞれ和従の効果をつけた動画をアップし、バズリ待ち。


 あくまで医薬品でも何でもないただの飴として、ネットに拡散して購買意欲を煽った。


 上級天使Lv600オーバーの僕なら造作もない。


 飴の成分は社外秘とし、工場長と製造責任者以外は触れないように、保管庫には鍵を掛けさせてもらった。


 製造ラインが確立するまで数日かかるようなので、あとはよろしく頼むと檄を飛ばして、工場を出た。


 お義父さんと一緒に車に乗り込み、

 自分が理事を務める病院まで30分もかからないというので、あやみに連絡し、病院の前にある老舗蕎麦屋で待ち合わせて3人で昼を食べた。


 お義父さんはこの病院の理事なので、僕を院長に紹介するというので、

病院全体に和従をかけてから院長室に3人で入った。


 終始にこやかな院長と歓談し、御父上と将来の婿さんが来てるのだからと

院長に気を使われて、あやみが早退することになった。


 「今日は3月3日だから外食でもするか」


 突然お義父さんが言い出したので、2人して喜んで返事をすると、あやみのスマホに着信が入った。


 「お姉ちゃん、どうしたの?」


 「そっちに早く着きそうなのよ、借りた車、交換するの、何時頃が都合がいい?」


 「もう上がったから、早い方がありがたいわ、晩御飯は外で御馳走してくれるって今決まったところなのよ。」


 「そう、じゃあ私も一緒に行くってお父さんに伝えておいて。」


 「ん、わかった、それじゃあ家で待ってるから着いたら連絡してー。」


 「了解」


 「お父さん、お姉ちゃんも来るって!」


 「そうか、斉藤、5人で予約しておいてくれ。」


 「はい、かしこまりました。」


 斉藤さんが手際よくいきつけの店に予約の電話を入れ、自宅にいるお義母さんにも伝えた。


 お義父さんとあやみと3人であやみの部屋で歓談しながら30分ほどすると、


「お姉ちゃんからだ。」


 とあやみが電話に出て、もう着いたようなので、皆で駐車場に向かった。


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