第13話 3月2日 いざ、鎌倉

翌朝早く起きると自分の荷物を異空間収納ボックスに詰め、


瞬間移動であやみの部屋に飛んだ。


ちょうど、あやみも起きてきて、おはようのあいさつをした。


これにて、引っ越し完了。


必要なものは異空間ボックスからその都度出せばいい。


あやみが高級そうなクロワッサンとコーヒーを出してくれたので2人で軽く朝食を済ませ、


「今日の予定は?」

と聞くと


「お休みなので、1日中ご一緒できます♡」

ということなら


「あやみの両親にご挨拶に伺いますか。」


「本当ですか!嬉しい♡。これから家に行くって電話します。」


理事だから病院にはほとんど来ていない、あやみを鑑定して瞬時に情報を得ていたが、いろいろ知っているとおかしいので、知らないふりを装った。


「実家はどこにあるの?」


と聞くと、海が見える由緒正しい八幡宮の近くを説明してくれた。


「電車を使えばここから1時間もかからないね。」


「私、車持ってますから、運転します。」


「えっ、そうなんだ。じゃあ、お願いしようかな。」


「一緒に地下駐車場に行きましょ」


エレベーターで地下に行くと、高級そうな車が何台もあった。ここの住人は金持ちが多いな。


「どうぞこちらです。」


「昨日のお昼に姉が来て、車を交換したので、エンジン音がうるさいかもです。」


と言われて助手席に座ったが、初めて外車に乗った。


エンジン音が凄い響く、鑑定するまでもなく、イタリアの高級車だ。

シートが前に2つしかない。

よくこんな車、女の子が運転できるな。親が買ったのだろうが。


「運転怖くない?」


「慣れれば平気ですよ」


なんの事は無い、30分で普通に実家に到着した。


時々お姉さんが友達3人で出かける時、2シーターだと友達が乗れないので車を交換してあげてるらしい。


塀に囲まれたお屋敷みたいな門の前で止まると、門が自動で開いた。


駐車スペースの方に行かず玄関の前に付けると、執事が出てきてお辞儀をしてきた。


「お帰りなさいませ」


「ただいまー」


「お嬢様、今日もお元気そうで何よりです。お客様もこちらでございます。」


とにこやかに声をかけられ、中に通される。


一応、車から降りる時に、この家全体に、自分が好感度アップする魅了をかけておいたので、当然の対応だ。


ドラマでしか見ることのない豪華な応接間に通されると、すでに御両親が高級そうな革張りのソファーに座っていた。

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