第5話 合格発表

 それで今日は3月1日合格発表。


 受験番号を探していると、上空から頭の上に何か落ちてきた。


 結界を張って、周囲に索敵はかけていたのに、頭の上に乗るまで、何故か感知できなかった。


 最高神ゼウスの隠蔽がかけられた本を、人間が気づけるはずもなかった。

 頭の上にある本を手に取り、まじまじと眺める。


 全く存在感の無い手帳のような本だが、学校の敷地内なので、拾得物として届けようと校舎に向かって歩き出した。


 すると、手帳が光りだし、勝手にページがめくられ、まばゆい光を発し、それを見た僕は意識を失ってしまった。



 話は、アポロン達一行が、日本の上空を飛行しているところに戻るが、急にアポロンが停止したので、


「アポロン様、どうなされました?」


 従神が心配すると


「ゼウス様の魔導書の魔力を浴びた人間が瀕死の状態だ。」

「従神よ、昨日ゼウス様に頂いた魔導書を失くしてはいないか?」


 従神カリストは鞄の中を探すが魔導書が無い、アポロンが落したのだから当然だ。


「申し訳ございません、アポロン様。どうやら先ほど、メモを取る際に、落としてしまったようです。」


「そうか、あれは父ゼウスが中級神用に創ったものだから、普通の人間には合わないであろう。」

「所有者認定の特典1、レベルが2倍にアップ さあ、あなたもこれで今日から中級神になれるよ。は良いとして」


「待って下さい、何ですかそれ!」


 ゼウスの息子であるアポロンも12神の1神、父が作成している魔導書の中身は知っていた。


「従神になる者は、下級神になりたてのLv600番台、レベルが2倍になれば、Lv1200以上になって、中級神の必要最低レベル1200を超える」


「頂いた魔導書を開いていれば、労せずして中級神になれたのですね。」


「そうだ」

「特典2は、上級神魔法、いつか上級神になったら必要です。は自動でダウンロードされてしまうが、流石にインストールはできない。」


「そんなものを私は落としてしまったのですね。」


「ああそうだ、本来なら昨日自室で開けていれば、すでに中級神になっていたものを。」

「罰として命を下す。瀕死の人間の元に行き、無事に生きていけるように憑いてやれ、その間の行いが良ければ、神界に呼び戻してやる。」


「下級神カリストよ、戻って来れるかはそなたのがんばり次第だな。」

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