第3話 導師&喰種・巢斗ー無
「こうか?」
クッキーをトッピングしている。先生は子供達だ。
“可愛い”という物を学びに来ている。
とにかく、可愛い!なので法則性は不明だが作りやすいのが良いな。
今回の材料費は持ってくれるそうなので、俺は作るだけ。
子供達が集まる教会で、料理をしていた。これも依頼だぞ?
「今日の糧に」
爺さんの祈りで、食事がはじまると子供の本性が…。
「飢えてんな。」
「甘くて美味しい食事は、子供達にとって天にも昇る喜びでしょうね。」
「机の上は地獄のような
肉も野菜も、巻いて切って3列積み上げた。大人ならひと口で食えそうなサイズだが勢いでもう、1列だけになったな。
俺はじーさんにタンポポ茶をご馳走になってるよ。
「冒険者向けにクッキー?あんな男の巣窟に需要なんてねーだろ。」
「いや。甘いもの好きは多いんじゃぞ。」
「酒に合う甘い物、量が多いものが好まれるだろ?」
「ワシの知っている男は、ドボドボにシロップをかける。」
「甘味地獄だな。」
そういう裏メニューを作るか。地獄の…
「俺、店を持とうと思ってるんだわ。」
「そうか、精霊様も妖精達も喜ぶだろうなあ」
机の上で腹一杯と座り込む妖精達と、ちゃっかり摘んでいる顔見知りの梟を見て、俺は肉巻きを一つ食って、茶を啜った。
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