第二章 第三話 騒ぎの中心で何を知るか④
宇宙の片隅にて漂ってしまってこの大地、そこに存在する集落にてこじんまりとした小屋が立っていた。小屋といっても穴の中のために日差しなど碌に入ってこないような状態ではあるが。
その小屋の中で内密にとおこなわれていた会議、だがその天井に音もなく現れた存在がいることをここにいる全員が把握していた。
「………………………………なんの用か聞いてもいいですかね。特段の事情がなければなされるがままにここまで連れてこられたわけでしょう。それすら許さぬほどに切羽詰まった状態であるならば」
「あぁ大体そのようなことだ。これでも暇人と思われたい変人なので。うそですそんなことはありません。でも大変ですねだの言われるのも違う気がするんですよねえ」
霧のように消えたかと思えば周囲をグルリと回ってこの場にいる者の横顔を眺めることを始めだした。
「………………先ほどはあなたに助けられることとなりました。ありがとうございますと素直に礼をいうことにしますよ」
「先ほどはいうと………………あぁ別にたかが一匹の討伐にあれだけの時間と手間をかけてしまっていては情けないことこの上ない。実際に単独ではあれほど簡単にはいかなかったことでしょうからね。もっと精進しますよ」
なんていうのが聞こえてくるが皮肉ぐらいにしか解釈が難しい。けれどだからこそこの言葉を真摯に受け止めることを誰もが行った。
「そうしてくれ。こっちとしても経験値が手に入れば苦労も少しは楽になるかと思いましたが。流石にそこまでの期待をするものではないでしょう。経験なんていうのは数値にしっかりと眼に見えてでるものではないでしょう。それよりも生きた年月にどけだけのことをしてきたのか、それに尽きるでしょう。まぁですのでどちらにせよ生き残った者にとっては次につながるものであるのは確かなことです」
「そういうことだ。どうせわかっていることだろう。アンタが倒した個体だけでなく他にも複数の怪物がこの集落へと襲い掛かってこられたことを。……………ど~してかねえ、こんな風に星と切り離されたと思えば知らねえ怪物が出現しだしたなんて」
「それよりもだ。実はこうして呑気に過ごしていること自体が間抜けを曝していることになるんじゃないのか」
「おい、こら。不用意にそんなことをいうんじゃない。だが実際、庇護を受けた存在が離れてしまったとなればどのような行動をとるのが自然だろうか。それとも追いかけるにしても他の方に向いてしまってこちらには来ないということになるのか」
「だったら嬉しいくらいなんじゃないのか実は。こんな会議をしていることぉしられていてさらに聴かれることになっていなければの話ではあるが」
「そうだよなあ。別にこちらから願い出てのことではないんだ。いきなり現れて守ってやるから我々に虐げられろとか意味の分からない支離滅裂とした考えをぶつけてこられていて。もしかして正直にということなら支離滅裂となっていないのだろうか。面倒なんてことでは済まされない大変なことにはなっていたがこれから自由に動いていけると思えば気が楽だな」
「なんていっても他の脅威が存在してしまうのがつらいところではあるのか。危険だなんだといっても訓練もすれば慣れもくるなのかなんていってしまえば簡単にともならずともどうにかするつもりでいればいいわけか。慣れてしまえば絶滅までのカウントダウンをしてのことではあるがどうせくたばるものかないから割り切ってしまうのが楽なものかもしれないな」
この人達はいったいなんのことをいっているのだろうか。わかった風に聞いてみればこういうことにだろうか。
ここは先日まで大きな星の一つであった。その端にちょこんと広くとっているはずであったものか。そこに存在していたはずなのに地獄を見て過ごしていたのか。そこで何者かの強者がその勢力が現れたと思えば簡単に傘下に入れてしまったと。そして流石というか当然というか多くの者達がそれによって被害を受けたか。それはどうにかなんてなったのかそれでもジリ貧になっていたのだろう。漂う空気も少しは晴れ晴れしたものとはいかないが表情にそのような傾向が確認できた。そんな中での原因の分からぬ爆発によって切り離されていったわけと。ここを虐げてきた者どものいる地域というのが地続きでいたためにもう既に影響を感じられないという現状になったのだろう。その中で連中から飛んでくるものの被害にはしばらくは受けていないことが観る様子からは感じられる。
だがそこでまた宇宙怪獣なんていってもいいかも知れないものが現れてきていた。生憎と飯とそのタネにはあまり困ったことはないのかも知れない。こんな荒れ地を開拓してきたものがあってこそのものだ。今更腹をすかせただなんだといってもどうにかできるだけの民族としての経験値が存在しているものか。
「それで、どこか当てはあるんですか。皆さんもわかっている通り
「いきなりのことだな。まぁそれこそ誰かの支援がありましてなんてのはありがたいことではというのは素直に認めたいところですが」
ただここで言い淀むということは何か後ろめたいことでもあるのだろうか。
「何か問題でもある様子ですね。懸念することとなんていえば心当たりなんて他にあるものじゃあありませんし」
「………………まぁそういうことだ。こんなヒトに害をないような怪人なんてどこが受け入れてくれるもんだよ。風評でなくて我々でいえば実際にやってきたことだからな。なにも文句などでるはずもないだろう」
あぁそうだ。こいつらはホントにファンタジーものにいるようなゴブリンらしく女の子を捕まえてきてなんていうことの種族で民族のようか。
「それでも今は違うわけでしょう。それこそどうなるかも分からない中で必死に生き延びてきたわけでしょう。そこに誰かの存在があるのであれば彼の者に対しても誇れる生き方をしていくのがいいんじゃないの?決して目につかぬように不快な思いをさせぬようになんていうのはまた違うものじゃあなくて」
「無茶なことをおっしゃるなぁ。我々のような怪物がどうにか生き延びていくことも必死にならなきゃいけないほどだ。ケダモノに人権なんてものはないはずなんだからな」
「そうだな。公の場所に出ていくにはそれこそ皆が進化をするくらいでなければどうにもこうにも心許無いというか。そうでなくても今を生き延びるので精一杯だ。先のことを考えることもしなければならないともいえ」
「それをおこなうのが我々であろうに。そうでなかったら何のための集まりになるんだという話になるからな。勘弁してほしいかも知れないな。獣から秩序を奪ってしまえばどうなるというのか。実際にそうなってしまえばただ野垂れ死にしていくことか街に向かっていって情けなくも殺されていくだけになるさあね」
などともう好き勝手にいろんなことを話しているように思える。部外者がいるというのにこれで大丈夫なのだろうかとも考えてしまうのはお節介ということになるのだろうか。
などと思考をぶん回していたらこの部屋に何者かが普通に入ってきていた。そちらに振り向いてみたらまぁ見覚えのある人物であったか。
「なぁにをやっているんですか。いきなりキエテなんて思えばすぐ鼻先にでてくるのは驚きとかよりも呆れ顔が浮かんでくるものかも知れませんね。これでも頑張って向かってみたら遠いったらありしない。どこまでも続く道だなんて誰かが妨害しているとしか考えられない。いったいどういうつもりでもしかしてワティクシのことが嫌いになりましたか」
なんて現れたのはもうシグライにとってはその面と姿が馴染んできていた。ピエロの女がこうしてまた会えるとも思えなかったが。
かなり親しく付き合いもあり気に入り始めてきていたであるためにできればもう関わり合いたいなんて考えたからこうして強引にも引き剥がしに行ったわけだけだが。
「えぇ嫌いですね。寧ろどうしてこんなことを今までして好かれているなんて考えてしまったんですか。きかせてもらいたいですねえあなたがここでどれだけの待遇を受けているのかなんていうのも気になるところですならねぇ」
「それはこちらも同じことですよ。シグライちゃんと呼んでいいですか。可愛い名前ですからね。何度でも呼んであげたくなっちゃう」
「えっと、嫌ですよ」
突き放されてしまい思わずその場に座り込んでしまったピエロの女。どうしてこういう仕草が可愛くウザく映るのか。
………………これがどうしてこうなるのか知りたいのは山々ではあるが、んなことはまったくもって知ったことではないか。
「それで、もう
シグライの発言からしてそれが明らかな異常
「まぁ今すぐに使うものでもないだろうて。我々はこれでも気のいい兄ちゃんなんて呼ばれるように努力はしてるつもりなんだからな。修復作業で勝手にやらせて貰わせてはいるがそれでもなんていうかどうにかなる気がしない。実際にもう受け取って貰うのが一番かと思うので」
「はぁ?いったいどういうそれに勝手に身ぃ開かれて壊されるのもいい気分にはならないのでご勘弁願いたいものですけれどねぇ。まあもしもの場合にはここの全員を排除してでもといってしまえばどうということはないのであろうか。簡単でありますかして感嘆の声を上げるものでありますからな」
鋭い視線を廻ってこられて思わず武器を握ろうとするがすぐにその彼我の差を思い知り観念したように元の場所へと戻していった。
「あまり怯えさせないでくれよ。どうとでもなると考えてのことであろうがここから道を切り開いて整備しての繰り返しなんていうのは苦労ばかりしかないように感じるがそちらは違うというのか。それとも命の危機に曝してしまえばどこまでだっていけると豪語するような変人か天災の怪物か」
「まぁそのようなものでしょうね。それに関してでいえば自覚がないのが質が悪い。もっと言えば経験とそれに紐づくものをあぁこれは流石にいってはいけない物かも知れないな。そんなこんなではありますがどうとでもなるというのは変わりませんよ」
そうだ、どうせここから出ていこうなんて考えたらもうすぐに飛び出していって機体を叩き起こして摑まっていくなんてのもおそらくは可能のはずなのだ。それをおこなわないというのはできるだけ迷惑を掛けたくはないという考えか。だとしても既に迷惑なんてのは大きく掛けてしまっているために50歩100歩ってことになるのではないかとも思ってしまう。
だとしてもできるだけ迷惑を掛けないなんていうのはヒトとして当然のことではないだろうか。
「まぁいいでしょう。案内をしてあげてください」
「いいのか、それは危険ではないかと」
「構いませんよ。これで下手に怒りをかって滅ぼされるのも癪なものですから。あぁ出ていくならどうぞお好きなように。このようなクソッタレと思わず唾棄してしまいたくなる現実は吐いて捨てるほどにあるでしょうし。このような場所に構っている余裕などあるはずもないでしょう」
どうやら嫌われているらしい。というより厄介と感じているのか。それもそうだろう。 ようやく機嫌を取るような相手がいなくなったと思えば強国のお姫様と呼んでいいのかそのような存在が降ってきやがったと。
こんな態度を取られても仕方のないことであろう。それでも攻撃をしてこようともせずに監禁、いや便所は許してもらえてはいるから軟禁であろうか。そのような待遇で済ませてもらえているのもこちらを信頼しているからであろうか。いや、牢にいれたのはそこにいるピエロの女だしそれがなければどうなっていたかというのになるものだろう。
ただ
とはいってもそれをいい始めてしまえばアイドルというのは自分が周りの人と違う怪人と自覚して過ごさなければいけないこととなる。それは凄まじくストレスのかかることであろう。怪人にもそれなりの心的負荷があるものだお。
「別に急ぐ理由も今のところはありませんし。もしかして
「まぁそのようなところだ。実際に君が来てからすぐに現れていたからね。その後でいえば目覚めてしばらくして前回のよりも巨大なものが出てきたのがあった。奮闘の甲斐もあってか幸いどちらにも死傷者が出ることなく生き延びてはいたがそれでも被害は出てしまうものだ。原因がすぐそばにあるとなればどうにかして放り出してしまうのが最適ではないかと考えてしまうのも仕方のないことだろう」
「実際、乗ってきた機体から降ろして離れた別の場所へと置いていたのはそのような理由があってのことだ。納得と理解が得られたなら幸いだ。それがなくても懸念することはこうして終わった後なのでもう用はないのだがね。寧ろ早めに壊れてないか見に行ってもらいたいものだ」
などといわれてほんとにこの部屋から一瞬で姿を消していった。風が吹いたことから恐らく飛び出していったものと予想される。
怯える対象が視界からいなくなったことでようやくといった調子で各々が息を吐いていっていた。
「いったい何だったのだ奴は⁉あれだけの歳の若さで纏うべきものではないぞ。あれは」
「歳のことをいえば我々と恐らく彼女はコロスなど毛頭ないものであったろう。だというのに向けてこられる殺気が尋常ではなかった」
「どこでみられるのだろうか。あのような存在が生まれるほどの地獄というのは」
誰もがこの圧倒的な実力の差を戦わずして魅せられてしまっていた。それに憤慨して悔しさを滲ませてただ情けないとその想いを抱えることになってしまった。それをしっかりと理解も共感も納得したピエロの女。だがこの年寄連中とはまたはっきりと違うことを考えて何事もないようにこの部屋から出ていく。
そこですぐそばに二人を呼びに来たものが床に震えて座り込んでしまっている状態であった。それを鼻で笑いながらを声をかけることもなく去っていった。
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