第47話 三人目の犠牲者
必ず、妹の仇を打つ!
千春は、申し訳ないと思いながらも、メンバーひとりひとりを監視していた。ひとりでは
メンバーそれぞれの、休日の過ごし方は、こうだ。
親友の
午後からは、公園でのんびり過ごす。ベンチで、鳩に餌やりをしている。帰りに、スーパーへ寄り帰宅。その後、父
21:30には、部屋の明かりが消える。
大抵、図書館へ行き、本を読んだり、自作の小説を書いたりしている。夕方帰宅すると、夜中まで電気が着いている。寝るのは1:00頃。
出るとすれば、夜にコンビニへ行き、お菓子やジュースを買い込み帰宅。やはり夜中まで起きている様子。
菜々花の父親
そう考えた。
ハッキリ言って、全員どこも変わった様子もなく、不審な動きもなかった。
菜々花の考察が間違いであって欲しい。そう、願った。
千春が、買い物をして帰宅途中にSNSの着信が鳴った。
『神山千春、毎日ご苦労さま。ワタシを探しているのかい?今から3丁目の雑木林にある、大木まで来ないかい?……会ってあげてもいいよ』
千春は、鬼の形相になっていた。
絶対に許さないっ!!
必ず捕まえるっ!!
千春は、Dr.ペストの待つ3丁目の雑木林へ向かい走り出した。
着いた時には、汗ばみ息が荒くなっていた。しかし、歩みを止める事はない。
手入れもされていない草木をかき分け、雑木林の中央にある大木にたどり着いた。
しかし、奴の姿は見当たらない。
辺りをキョロキョロと見回している時だった。
スーッと、首元に何かが掛かった。
「えっ!何これ?ロープ?」
ロープは、千春の首をギュッと締め上げた。
そして、そのまま上に引っ張り上げられていく。
千春は必死に
両手を、首とロープの間にねじ込み隙間を作ろうとしたが、爪が剥がれてしまった。
そして、遂に両足は地面から離れた。
大木の太い枝の上に、奴がいた。
Dr.ペストは、千春を引っ張り上げる腕の力が限界を超え、プルプルと震え出した。
すると、ロープを持ったまま、華麗に地面へと飛び降りた。
そして、ロープの末端に作っておいた輪っかを、太い倒木に掛けた。
千春の首は、更にキツく締め上げられ、足も地面から遠のいた。
Dr.ペストは、ふぅーっと深呼吸をすると、苦しむ千春の前へ立った。
千春は、徐々に意識が遠のいてゆく。
そんな中、Dr.ペストは自ら仮面に手をかけ、ゆっくりと外した……
っ!!
「お、お前がDr.ペスト……なんで……だ……クソ……絶対に許さ……ウグッ」
Dr.ペストは、必死に吠える千春の腹部にナイフでスッっと切れ目を入れた。
そして、仮面を被り直すと、千春に手を振り、生い茂る草木の方へと消えていった。
千春は……動かなくなった。
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