第35話 不協和音
皆、明らかに動揺していた……。
「本当は、話そうかどうか迷ってたんだけど、皆を混乱させても、皆に危険が及ぶよりは全然いいと思って……」
「菜々花!冗談じゃ済まないじゃん!殺人鬼がこの仲間の中にいる……しかも二人もって……そんなこと信じられるかよっ!」
「まあ落ち着いて。確かに突拍子もない話だけど、桃子のことがあったんだ……菜々花が冗談なんて言うわワケないさ。それに、話の辻褄も合う」
「確かに混乱するけど、俺は信じるぜ。ていうか、この中じゃなくて
ボクは、るぅちゃんと目を合わせずに答えた。
「それは……ないと思う。てゆうか、ない」
「え?ど、どうして?」
皆、不思議そうにボクの顔を見ている。
「桃ちゃんが、殺ろ……あ、えっと……酷い事されている時間帯は、
沈黙を裂くように、冷たい風が枯葉を鳴らした。
「あ、あの……な、菜々花ちゃんのお、お父さんは何故容疑者なの?」
「それは、ボクがDr.ペストのことをパパに話していたし、アリバイもないので……一応容疑者なんだ……でも、ボクのパパはそんな人じゃないと信じてる」
すると、また琉空ちゃんが突っかかってきた。
「おいっ!じゃあ何か?俺たちはそんな人ってか?だいいち菜々花が犯人かもしれないじゃん!皆を混乱させてさ……」
「てめぇ!何言ってんだコラ!」
るぅちゃんが、琉空ちゃんの胸ぐらを掴んだ。琉空ちゃんもすぐに掴み返す。
「
その言葉に、るぅちゃんはヒートアップした。
「琉空っ!てめぇこそいつも以上にお喋りだな?!何か動揺でもしてんじゃねぇのか?あっ?」
琉空ちゃんは、舌打ちをしてるぅちゃんの手を振りほどくと、ベンチに座り直した。しかし怒りは収まらない。小刻みに足を震わせている。
「しかも全員殺すって……このメンバー集めたの彩希先輩ですよね?!なんか出来すぎじゃん。それに千春先輩だってアリバイないじゃん……」
「やめろ琉空!彩希先輩に失礼だぞ!それに千春先輩が一番辛い思いをしているんだ、この事を伝えて良いものか……」
キリちゃんが、頭を抱え込んだ時だった……
聞き覚えのある声がした。
「全部聞いてたよ……皆、揉めてるから私がいたの気づかなかった?」
皆がその声に振り向くと、 噴水の後ろから
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