第15話 聴取
「まず始めに、犯人はどんな容姿か教えて貰えるかい?」
「なるほど、Dr.ペストか。うーん……けど、現場を目撃して動画を撮影したところを見られたのは
「これは推測なんですけど、
「なるほど、それなら無くはないね。……それともうひとつ、被害者の
「そ、それなら、ぼ、僕が同じち、中学校でした。話したこともな、ないですが……」
「すると、城田さんを知っているのは伊集院君だけ、接触したことがある人も無しか……実は警察の方で
「だ、誰にも話していません」
継治の返事に、皆も頷いた。
「そうなると、無差別殺人事件ということですか?」
「うん、その可能性もあるね。只……皆にはもうひとつ別の可能性があることを伝えたい、大事な話だ」
皆、息を呑み込んだ。
「初めに言っておくけど、決して疑っているとかではない……気を悪くしないで聞いて欲しい。あくまでも可能性の話だ。それは、実際に現場を目撃し、動画まで撮った九条さん以外……他の皆はこの事件を知っている、アリバイのない容疑者だということ」
一瞬、黒崎刑事の目が鋭くなったようにも見えた。
「え……」
「それって……?」
「そんな……」
皆は少しザワついた。
冷たい無機質な白い壁に寄りかかっていた瑠羽太が立ち上がった。
「ちょっと待って……オレ、遭遇してるんですけど?」
「……すまない関君、それを証明するものが無いだろ?」
瑠羽太はしょげた顔でゆっくりと座り込んだ。
一瞬の静寂に、薄暗い廊下の蛍光灯がパチンッと音を立てた。
「もう一度言うけど、皆を疑っている訳じゃないよ。只、話を
黒崎刑事は、少し苦笑いを浮かべた。
「犯人は無差別殺人鬼の他に、学校関係者、または、このことを知っている私達の中の誰か……も、含まれる。そんな感じでしょうか?」
黒崎刑事はコクリと頷いた。
「すると、黒崎刑事さんも容疑者ですね」
「え……?」
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