第13話 珍しく吉報
皆、期待せず、それぞれにお弁当を食べている。
「特に
琉空はドヤ顔で
「マジか!……それは確かに、ビッグニュースだ……」
瑠羽太も、他の皆も安堵の表情を浮かべた。
「噂では、半グレ集団にスカウトされて、関東の方へ行くらしいじゃん」
アイツ等らしいな、と皆が思った。
「しかし、たまには琉空の情報も役に立つな」
「まあ、今の世の中
たまには琉空の言うことも一理ある。
「あれ?そういえば
琉空がキョロキョロと見回す。
「あっ、うう、噂をすれば……」
「皆ぁ、大変だ!ボクのスマホが無くなったんだ!」
「家に忘れたんじゃないのか?」
「違うもん!朝、教室で一度出したもん」
ボクは頬っぺを膨らませた。
「それは困ったわね……今日、警察へ行って例の動画を提出しなくてはならないのに……」
「確かにこのタイミングで菜々花のスマホが無くなるのは不自然だな……」
キリトの言葉に皆、動画で見た高校のジャージを思い出していた。
「る、瑠羽太君は、どど、動画も見れてないのにね……」
継治の言葉に、瑠羽太は
「あー、動画見なくても大丈夫。俺も警察に証言するぜ!昨日会ったし……」
「……え?会った?……だ、誰に?」
一同、綺麗に声を合わせた。
「だから……夕べ襲われたんだよ、Dr.ペストに……」
瑠羽太は菓子パンを口に頬張ると、缶コーヒーで流し込んだ。
「昨晩って……病院の帰りにオレと会った後か?!」
キリトが箸を置いた。
「ああ、そうだ……お、菜々花の卵焼き美味そう、いただき!……はむっ……
「あー!ボクの傑作メインがぁ……」
ボクは
「てか、瑠羽太、お前冷静過ぎだろ、まじで」
桃子も箸が止まっている。
「冷静を装ってるんだよ!……思い出しただけで恐ろしいぜ。今までみたいな喧嘩とは訳違う……初めて殺気というものを感じたよ。俺は運良く逃げることが出来ただけだ……次遭遇したら確実に殺されるかもな。かなりのナイフの使い手だ。もし、お前達も出会ってしまったら……絶対に逃げろ、だ」
瑠羽太の傷ついた腕には鳥肌が立っていた。
皆がお昼ご飯を食べ終わった頃、空を黒い雲が覆い始めた。生ぬるい風が吹く中、動画は無いがとりあえずボク達は警察署へと向かった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます