旅は道連れ容赦無し
一方その日の夜。かんなは、いつも通りにフライパンで柩を叩いて吸血鬼達を起こすと、含みの有る笑顔で大事な話しが有ると言った。
「あたしの勘では、一狼と雪彦は同じ所に行ったんじゃ無いかと思うの」
「かんな。別に一狼と雪彦が一緒でも不思議じゃないだろ。同じ大学に居るんだから」
「娘、そう言えばコックは兎も角、ウルフはキョドってたぞ」
「じゃじゃじゃーん〜〜大学に行って調べたら、一狼と学生達、御一行は長野に行ったと判明しました! オマケに雪彦の実家もあるって!」
そして胸を反らし、高らかに宣言した。
「あたし達も長野にレッツGO〜」
レッドとミハイルは顔を見合わせ、深く溜息を吐いた。
「やっぱ旅は電車よね〜駅弁、駅弁!」
「うーんペットボトルのお茶は、やっぱり不味い!」
このメンバーでは、嫌な予感しかしない。レッドは頭がクラクラしてきた。
「せっかくのお休みなのに。子守りと馬鹿守りかよ……」
それと言うのも、一狼の下手な演技と、かんなの野生の勘のせいだ。
レッドは現地に着いたら、鬱憤晴らししてやると誓い、トマトJを勢いよく飲んでむせたのだった。
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