ふと高橋真梨子さんの「ハッピーエンドは金庫の中」を思い出していました。
サナミさんにとってのハッピーエンドは金庫の中のまま死んでしまったのか、死ぬ瞬間は彼氏みたいにぼんやりと気持ちよく行けたのか。周りはそうは思えなくても、せめて後者だったらと思います。
それにしても彼氏さん、一体どういう人なんでしょう?見た限りだとヒモのような人だけど、なんか捨てられない感じの人、ってところなんでしょうか。
妙にリアルで寂しいけれど、死ぬのはまだ先であってほしいという主人公の強さのようなものも感じて、いつか彼女も自分がハッピーエンドだと言う終わりを見つけられたらいいな、と思いました。
作者からの返信
コメントありがとうございます!歌詞を検索してみましたが、「ずっと金庫の中だね」というところが何とも言えず胸にグッときますね……たとえ周りの人にはわからなくても、サナミさんにとっては人生の終わりがハッピーエンドだったならいいのですが。
彼氏、ヒモっぽいですね…急に仕事をやめてきてズルズル…でも優しいときもあるし…みたいな感じで別れられないのかもしれません。彼とどうなるにせよ、主人公にはハッピーエンドに向かって歩いていってほしいと思います。それだけの強かさもありそうな気がします。
昔お世話になった人の孤独死から、人生のハッピーエンドについて考えるという、重たいテーマですが、すっと入り込めました。文の読みやすさもですが、「私」が自分の感情も淡々と描いているからかもしれません。
サナミさんの一生を考えていた後に、東京の自宅に戻ってきてから「私」の現状がクローズアップするところにドキリとしました。サナミさんと違う人生を送っているはずなのに、「私」がダブっていきそうで、なんだか薄ら寒く感じました。
現代ドラマでも、ちょっとした違和感や上手に飲み込めにくい現実など、些細な感情をしっかり描いているという印象でした。こういう感情をはっきり目を逸らさずに描いているからこそ、尾八原さんは色々なジャンルを描けるのかもしれないと、勝手ながら思いました。
最後に大変遅くなりましたが、自主企画への参加、ありがとうございました!
作者からの返信
本作にレビューまでいただき、どうもありがとうございます!
重めの話ですが、読みやすいものになっていれば何よりです。また、レビューにあった「境遇の描き方に胃がキリキリします」というところ、特に嬉しく感じました。主人公の境遇もまたサナミさんと同じように、ハッピーエンドになるかどうかわからないというところ、仰る通り二人がダブッて感じられるところではないかと思います。
スッキリしない部分を残しつつ終わるのはホラーの好きな形の一つですが、他ジャンルの作品を書く時にもその好みが反映されているのかもしれません。これからも色々書けたらいいなと思います。
素敵なお題をありがとうございました! 主催、お疲れ様でした。!