第11話 エピローグ
――それからも、魔王と私たちの交流は続いた。
時に皆で王都に遊びに行き、時に魔王の部屋で対戦ゲームをして白熱した試合を繰り広げ、サンル兄さんが料理のレシピ本という名の同人誌を作り始めたり、私が異能を使って魔王のコレクションの修復をして感激され、いつも間にか魔界のオタクたちからも修復を依頼されるようになって仲良くなったりと、いろんなことがあった。
そして現在。
私たち兄弟は、キースとハンナのお墓参りに来ている。
「父さん、母さん、久しぶりだな。俺たちは元気にやってるぞ」
「オレは、反抗期卒業したよ~」
「食堂で働いている」
「この前、魔王から転移魔術教えてもらったんだ!」
兄弟たちが、お墓に向かって和やかに語りかける。
春の暖かな陽の光に照らされてキースのペンダントが光り、柔らかな風が吹く。
そして、私の番になり、兄さんたちとヨンスに囲まれながら、私はそっと前に出た。
「…………私、今、すごく幸せだよ。助けてくれて、本当にありがとう。父さん、母さん」
そう告げて、私は『両親』に、心からの笑顔を向けたのだった。
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