第24話 別れ24p
指で摘まんでよく見て見る。
ただのアクセサリーだ。
「それは、特別な石なの。口寄せの石」と占い師。
「口寄せ?」
聞いた事がある様な無い様な言葉だ。
「交霊術の一種よ。それは昔から口寄せの為に使われて来た石なの」
「はぁ……」
「それを身に着けて、集中して多田野さんの事を心から思えば、あなたの体に多田野さんの魂を呼ぶ事が出来るのよ」
何だって。
こいつは何を言ってるんだ。
「こいつは何を言ってるんだって思っているわね」
占い師は探る様な目で俺を見ている。
「当たり前だろ、そんな事、誰が信じるもんかよ! ばかにするのもいい加減にしろよ!」
「ばかに何かしてないわ。騙されたと思ってやってごらんなさい。あなたが、多田野さんにとって大事な人なら、そして、あなたも多田野さんを大事に思うなら出来るわ。もしも、多田野さんにこの世に心の残りがあるのなら、その石を使ってあなたの体で心残りを晴らさせてあげると良いわ。その石をあなたに与える事、それが、私にできる唯一の償いよ」
「うっ」
何が何だか分からない。
この石で、季夜の魂を俺の体に呼ぶってどういう事だよ。
こんな飛んでる話、聞いた事も無い。
「論より証拠よ。今日は疲れたでしょうから、明日にでもやってみなさい。いい、多田野さんの魂を呼び寄せられるのは一日一回、五分間だけよ。きっかり五分よ。そして石の力の効果は石を使ってから三週間しかもたないの。三週間を過ぎればあなたの体に多田野さんの魂を口寄せる事は出来なくなるわ。忘れないで」
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