第17話 別れ17p

 俺は適当に選んで着た、思い切りださい服装で大学へ行った。

 久しぶりの大学で、仲間から俺の他にも季夜が死んだショックで休んでいる者がいると聞いた。

 大学には来たものの講義は頭に入らず、仲間の話しも頭に入らず。

 自分は何のために此処にいるのかと思う。

 此処を直ぐにでも抜け出したい気持ちに駆られた。

 全ての講義が終わる頃、俺は急いで大学を出た。

 大学を出ると息が詰まる様だったのが少しはましになる。

 思いっきり空気を肺に入れた。

 冷たい空気がカッカした脳の熱を冷ます。

 俺は駅まで向かうと来た電車にそのまま乗り、どうでも良い所で降りた。

 アパートに戻っても、きっとまたベッドに沈むだけだ。

 駅から出ると、此処が季夜と最後に遊びに来た街である事に気が付いた。

 二人で遊んだ思い出の場所。

 二人で、ぐだぐだと過ごして占い何か行って。

 此処で電車を降りるなんて意図していなかった。

 偶然にもほどがある。

 俺は途方に暮れた。

 何処に行こうか何て考えずに俺は歩き出す。

 季夜と行った場所は自然と避けた。

 街行く人は皆楽しそうで幸せそうで。

 それを見る俺は落ち込んでいった。

 俺だって幸せだった。

 馬鹿みたいに笑っていられた。

 季夜が死ぬなんて事が無ければ、きっと、ずっと。

 他人の笑顔を見て俺は思う。

 今日笑えない俺は明日、笑えるのだろうか、と。

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