空想の世界

バブみ道日丿宮組

お題:日本空想 制限時間:15分

空想の世界

 クリエイターになろうと思ったのは、中学の頃。

 まだ作文と言えるものを書いてた頃だった。

 挿絵も自分で書いて、はじめての童話を作ったときは楽しかった。何度も読み直して、その世界を堪能した。

 あのときは結局誰にも見せずに、本を燃やしてしまったけれど、いい経験だった。 

 空想するのは自由。

 他人にとにかく言われるものでもない。

 本は燃やさなくても良かったとは思う。未熟さゆえのあやまちともいえなくもない。

 でも。

 形にするとなると、人の意見が欲しくなる。

 あのときはまだ弱かった。

 高校生となった今は違う。

 十分にオナニー本だと思うけれど、自信を持って相手に渡せるものができたと思う。

 表紙絵も、挿絵もそれに見合うもの。

 さて誰に見せればいいのだろうか。

 この空想世界は、どの層に受け入れられるのだろうか。

 かつて国民的アニメでは、日本を作ったり、魔法の世界にいったり、宇宙を旅したりした。

 それに比べると、この本の中身はベタすぎる。


 日本を作る転生ものの話。


 異世界転生はもはやありふれたテーマ。

 それに近いことをやってる自覚はあるけれど、自分は違うとだけ言いたい。

 ……もちろん、すべての作者は同じことを考えてると思う。

 自分の子どもでもある本を誰よりも愛してる。好きだということを理解してる。

 まずはそうだ。

 妹に読んでもらおう。

 小学生に理解できるなら、きっと誰にでも受け入れられるものであろう。

 そう思い、妹の部屋に行くと、妹はすやすやと寝てた。

 可愛い。素直にそう呼べる子だった。

 私は必然として、その寝顔を覗き込んだ。

 本当に血がつながってるのか怪しくなる。

 もしかしたら、妹は異世界からやってきたのかもしれない。そう考えなければ、姉というポジションはあまりにも酷だ。えこひいきと叫びたくなる。

 間違いなく成長したら、人気者になる。

 私と違って、日陰者になんてなりはしないだろう。

 妹は私を好きでいてくれてる。それもいつまでかはわからない。あまりにも醜い私をいつ手放すのか。年が進むごとに恐怖する。

 最初に読んでもらうのは、そうなる前にやってもらわなきゃならない。

 でも、今はゆっくりでいいかな。

 妹のベッドに潜り込むと、抱きしめて一緒に眠りについた。

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空想の世界 バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri

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