第3話 普通じゃないわたし。

友達との関係性に動きが見えたあの日から、1週間が経った。


春の訪れをひなたに感じた、まだ寒さが取れないきょう。私は、両親の離婚前に住んでいた家に来ていた。

小学校の時に書いた作文、作った工作物。私の心は空っぽなのに、ここは全てを残していた。


小学校の時の担任の先生は、感想文や、作文を書くことが難しい人は、まず思ったことを書き出してみましょう。とよく言っていた。当時の私は、先生の言葉に従えたことはない。何も分からない小学生が、思ったことを全て書いたところで、大人が対応に困ることをよく知っていたからだ。


何もできない私。ある程度できる私。

自分の前に立ち塞がる大人を見極めた上で、使い分けていた。

それをすることで私は生き残れたのだと思う。

自分を守ってきたのだと思う。


不器用な私が、器用に使い分けることができたのは、母がヒステリックな一面を持ち合わせていたことが原因だと確信している。

父とうまく行かなかった日、父に突き放された日。わかりやすく、私を必要以上に怒り、自分の思い通りにならない子供を前にして泣いていた。

友達の悩みに気づけない私でも、人間の異常性に本能で気づいていたのかもしれない。

母を気遣い、母の前でわざと泣き、過剰に心配をし、私にはあなたしかいないと洗脳するように母にすり込ませていた。


当時の私は、当時の自分を守ることで精一杯だった。だから、今、母は、私を離さない。離れようとすれば、嫌味、妬みを見せ、泣いてくる。

わたしは、どうすればいいのだろう。





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誰にも言えない秘密がある。 スイ @sui_3010_

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