第26話 ウチの猫の様子が可怪しい件について !《猫バージョン》 ①

【コロッケside】



 俺は、彼氏がいない姉ちゃん洋子を慰めていた。


ニャァ~ン姉ちゃん ニャァ~ン俺がついているから元気だせよ


 姉ちゃんは 聞こえているのか、聞こえていないのか、何か考えているようだ。


「あ~あ、私の王子様は何処に居るのですかねぇ~ 」


ニャァ大丈夫 ! ニャァ俺が代わりに ニャァ~ン王子様に成ってやるよ


アンタコロッケじゃぁねぇ~、せめてもう少しせてからで無いとねぇ~」


うにゃぁ~ひでぇ~よ ! ニャァ俺だって ニャァ~ン傷つくんだぞ !


「そんな事を言わないで『ダイエット』でもしようか ?

 食事制限では無くて、運動ダイエットをしようね !」



 えっ、嫌だなぁ~ ! 俺は少し太っているだけで無理してダイエットをしなくても良いと思うんだけどなぁ~


「ほら、コロッケ ! アンタの兄弟達に会いに行ったついでにアンタも鍛えてもらったら ! 」


ウニャァ~ニャァニャァ~ンやれやれ、姉ちゃんに付き合ってやるか !飼い猫は辛いぜ


 俺は姉ちゃんに追いて行き自転車の前カゴのバックに潜り込んだ。

 昔は、良く姉ちゃんの自転車の前カゴに乗ってドライブしたもんだぜ !

 それに久しぶりに弟達に会うのも楽しみだ。


 姉ちゃんがカゴから顔を出している俺を見て ため息をしていた。


ニャァ~ン姉ちゃん ニャァ~ンため息ばかりしていると ニャァ~ン幸せが逃げていくぞ !


 ギロッ


 姉ちゃんが俺をにらんで、俺の頭をつかんだ !


「アンタ、絶対 私の悪口を言ったでしょう !

 長い付き合いなんだから、だいたい分かるんだよ !」


ニャァ悪かったよ ! ニャァ~ン姉ちゃんが ニャァ~ン猫語が分かるなんて ニャァ~ン思わなかったよ !


 付き合いが長いせいか、ときどき俺の言葉が分かるんだよなぁ~

 特に姉ちゃんの悪口とか………

 俺の謝罪が通じたのか姉ちゃんの手が俺の頭から離れた。

 妙に握力があるんだよなぁ~ 姉ちゃんは !

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