第12話 俺は、ハーレム王になる !………by コロッケ ②


【 コロッケside 】



カフェ『紅い悪魔』には、金髪サングラスの人間の男が居た。


「 ニャア ニャア (うむ、ご苦労様)」


俺が店に入ろうとすると


「 何だ、このどら猫は ! 堂々と入り口から侵入しようとしたぞ」


「 ニャア ニャア ニャア ニャア(何故、邪魔をするんだよ ! 弥七から猫を募集していると聞いて来たのに !)」


そうなのだ ! 弥七の話だと茶髪のモジャモジャ頭の男が、おっちゃんの店に居る オコゲの子供を予約したらしいと聞いたのだ !

まだ、生まれてもいない赤ん坊猫を欲しいなら 俺のような立派でカッコいい雄猫おとこ(自称)なら喜んで迎えてくれるもんだど思ったし 弥七も保証してくれた。


それなのに………


金髪サングラスの男が、俺を捕まえようとしたが………

「 ムウ、この私が翻弄ほんろうされるとは、この どら猫は化け物か !」


人間にしてはなかなかやるけど、俺の相手には役不足やくぶそくだったな。


「 クワトロさん、あれはコロッケは 只の総菜屋さんの猫だから 化け物でも何でも無い普通 ? の猫のはずよ ! 」


失礼な嬢ちゃんだなぁー ! 俺を、ただの飼い猫だとぉ~


「 しかし、このどら猫の狙いは何だ ?………そうか、わかったぞ !

このどら猫め ! ララァ達は貴様コロッケには渡さん ! 」


そうかぁ、雌猫女の子のウチの一匹の名前は『ララァ』と云うのかぁ………どんな雌猫女の子なのかなぁ~


「 レイさんも見てないで、手伝ってくださいよ ! レイさんのマチルダやミライのみさおの危機なんですよ ! 」


『マチルダ』『ミライ』……どちらも美猫そうな名前だなぁ~


茶髪のモジャモジャ頭の男が、俺を捕まえようとしたが………

「 駄目だ ! どら猫にあの娘猫たちは、やらせない !………

くっ、やはり速いな ! 通常の猫の三倍は速いんじゃないか ? 」


無駄 無駄 無駄 無駄 無駄 無駄 ! 目で追っているようじゃ、俺は捕まらないぜ !


今は、三人がかりで 俺の事を捕まえようとしている。

そう簡単には捕まらない !


ただの飼い猫とは違うのだよ ! 飼い猫とは !


なんとしても俺を拒むなら、此方こちらにも考えがある。

今は戦略的撤退だ !


「 ニャ ニャ ニャ ニャァー ! ( あばよ、とっつあん !)」


俺は、速やかににげだした。

これが ガンモなら ひつこく粘ってつかまる処だが、頭脳派の俺は引き際をわきまえている。


頃合いを見て別の入り口から潜入すれば良い話だからな。

弥七に聞いた話だと この店は古い定食屋を改装したらしく 前の住人の飼っていた猫の出入口がふさがれずに残っている事を聞いた。


クッ クッ クッ 油断した夜にでも忍び込めば良いだけの話だ。

待ってろよ、俺の嫁さん(予定)達 !

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