結局人生の相方でもあった

 結婚するぞ。

 貴方と私は交際していましたっけ?

 親が結婚しろと煩い。お前とならば同居できる…多分。

 仕事の相方を人生の相方にしないでください。

 君が嫌だと言ったら諦めるし、将来的に離婚にも応じる。

 まあ、良いでしょう。

 という会話を交わして12年…本日、7人目が産まれ相方は七度目の号泣中だ。


***


「結婚するぞ」


 相方が、出勤早々よく分からないことを言ってきた。

 そう、私と彼は仕事上の相方である。ビジネスパートーナー。それ以上でも、以下でもない。そもそも、恋人同士でもない。


「貴方と私は交際していましたっけ?」

「親が結婚しろと煩い。お前とならば同居できる……多分」


 多分?

 私の意見は無視ですか?


「仕事の相方を人生の相方にしないでください」

「君が嫌だと言ったら諦めるし、将来的に離婚にも応じる」


 まあ、私も同じような状況に置かれている。母親からのメッセージにはマッチングアプリのリンクが貼られているし、顔を合わせる度に私の同級生の誰が結婚して、子供が生まれたとかこれ見よがしに言って来る。

 正直ウザい。かと言って、今から恋愛するのも億劫だ。

 彼氏をすっ飛ばして旦那が欲しい。一緒に暮らせる人が欲しい。


「まあ、良いでしょう」


 こうして、仕事の相方と結婚した。

 相性は悪くない。嗜好も思想も知り尽くしているし、向こうだって私の駄目ところを隅々まで知り尽くしている。

 上記の会話を交わし、結婚してから12年が経った……本日、私は7人目を出産した。


「良かった……ありがとう、無事に、産まれてくれて。君も元気で良かった……! 後で、みんな連れて来る!」


 相方は七度目の号泣中だ。

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