4章 黒幕を探して
第12話 経緯を説明と最終手段
「これからどうするの?」光ちゃんが聞いてくる。
「職員室に行ってみる。危険だけど。」
「どうして危険なの?」
「大人がいるから。特に男性教師が光ちゃんを襲ってきた場合は庇いきれるかが心配。」
「対応に追われて、誰もいないかもしれないけど。」
「警察来るかな?」
「来たらもっと厄介。警察官は超強いから。……あと、性欲が強そう。」
「侑名ちゃん。それは偏見だよ。」
「もしがあったら、警棒を奪って気絶させよう。」
「バイオレンスだね。侑名ちゃん。」
「頼れる彼女になりそうでしょ?」
「うん。だんだん好きになりそう。」
「その思いを持ち続けて呑まれないように。」
「分かったよ。侑名ちゃん。」
(私と光ちゃんは性格の相性がいい。)
(職員室に着いたけど、人の気配がしないな?)
「たのも~!」勢いよくドアを開けてみた。
「侑名ちゃん?なんでその言い方?」
「なんとなく?」
(………やっぱりいない。一人くらい常駐してろよ。も~。)
「いないね。誰も。」
「対応に追われてるか、パニック起こして指揮が崩壊したか?だね。」
しばらく探していると……。
「誰?」女の人の声がした。
「二年の辻占と今川です。」
「………。まともなの?」声の主が言う。
(声が震えて怯えている。怖い目に遭ったんだろう。)
「自分が呑まれそうで怖くなっているんでしょう?同性だとまともに話が出来ないでしょうし、今川くんをそっちに向かわせます。」
「光ちゃん。持ち前の癒しで先生に事情説明と癒しをお願い。」
「侑名ちゃんは?」
「他に誰かいないか?探してみる。」
「気を付けて、侑名ちゃん。」
(暴れたあとは無いから、あの先生は職員室に逃げ込んで隠れていたのだろう。私が男に襲われる事は無い…。だけど、高橋くんや光ちゃんは危険だ。)
(職員室には手掛かり無しか…。大人の意見をききたかったのだが…。)
近くの校長室を覗こうかな。
ガチャ。(鍵が掛かっている。誰かいると言うことか。)
「すみません。校長、おられますか?」
「今、開けるから待ってくれ。」
扉が開いたので中に入れてもらう。
「二年の辻占と言います。校長?大丈夫でしたか?」
「すまないな。私みたいなのが襲われたら、腕力で勝てないからな。」
「いえ。あなたがダメになるとさらに、統率が取れなくなる。懸命な判断だと思います。」
「話を聞きたい。各先生に騒動を止めるように向かわしてはいるが、帰って来ない。どうしてだろうか?」
「吉田先生の見解ですが……。」私は今まで経緯を話した。
「逆効果だったか。同性の人間で止めに入ると……。」
「もう、ダメになったと考える方がいいです。もし、私たちがダメになったら、この事を警察に話して全ての人間を強制的にこの学校から立ち退きするように行ってください。」
「分かった。言う通りにしよう。君は強くて優秀なんだな。」
「なんとかして見せますよ。今、まともな人たちと。」
「あと、職員室にメンタル崩壊中の先生がいます。ここで匿ってあげてください。」
「分かった。くれぐれも無理はしないでくれ。君も大事な生徒の一人なんだから……。」
職員室に戻り、若い女の先生(名前なんだっけ?)を光ちゃんに校長室へ連れて行ってもらってそこは解決して先に向かった。
(あの人、誰だっけ?興味無いからな~。)
「あれって何先生だっけ?」
「侑名ちゃん。専攻科目の先生じゃ無いからって忘れたらダメだよ。」
「古文の竹崎先生だよ。」
「そんな人いたっけ?」
「他人に興味が無いんだね。侑名ちゃんは。」
「うん。無い。」
「はぁ~。まあいいよ。そんな子だって分かったから。」
(光ちゃんに呆れられてる?)
手掛かりが無さすぎだし、
(一度、吉田先生の所に戻るか。)
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