第11話 これからの話し合い
約10分後、
「高橋くん。終わったぞ。」
「…………。」
「20代の教師だから、経験が浅いな。もう失神したよ。」
「変態だ。」
(高橋くんは私をもう変態呼ばわりだよ。)
「ヘッドロックでも良かったが、万が一はある。」
「悪魔か。」
「変態でも悪魔でもなんとでも言うといい。綺麗ごとでは解決できない。」
(それぐらい今は、異常なんだよ?高橋くん。)
「これからどうするんだ。原因が分からないんだろう?」
「学校で正常なやつの中に元凶がいる。そいつを探すつもり。」
「そいつは男なのか?」
「断定はできないけど、腕力で劣る女子の可能性は低いとだけ言える。」
「俺はどうすればいい?」
「さっきの女子と捜索を続けて欲しいの。もちろん彼女を守りながら。」
「分かった。」
図書室にいる二人と本棚越しに合流した。
「私は一年の江藤 楓って言います。助けてもらいありがとうございました。」
「二年の高橋だ。」
「同じく二年の侑名って言って。」それぞれ自己紹介する。
「事情は話した通りだ。楓。高橋くんに守ってもらえ。」
「呑まれそうになったら、お互いで愛し合え、それしか助からない。」
「分かりました。」彼女は言う。
「イケメンだし、性的欲望を満たすのにいい条件の男だ。」
「侑名ちゃん!言い方!」光ちゃんが怒る。
「いや、今川。構わない、奴は変態だからな。」
(本当は君に言われるのは、心外だが。)
「高橋くんが斎藤先生を楽にしないから、私がやったんだよ。」
「侑名ちゃん。斎藤先生になにかしたの?」
(あっ、光ちゃんそれ聞く?)
「ああ、楓を襲おうとしたからな。気絶させておいた。」
「あの~。先生大丈夫ですか?」
「優しいな楓は。襲われそうだったのに。」
「先生はいじめられてる私にいつも優しく接してくれて…。」
(可愛いと思ったから、呑まれたのかな?)
「今回はそれが仇になったようね。」
「私もあの人たちみたいになるんでしょうか?」
「それはお前の心持ち次第だ。もし、ダメだと思えば高橋くんを頼れ。」
(騎士道みたいなやつといじめられっ子は相性がいい。)
「信頼なさっているんですね。」
「ああ、こんな童貞に出会った事は無いからな。」
「侑名ちゃん!だから、言い方!」光ちゃんが注意してくる。
「無駄だぞ、今川。こいつは変態だからな。」
(あの状況を我慢する方が変態だと私は思う。)
「高橋先輩はカッコいいし、今川先輩は男の子なのに可愛い。」
(楓はまともな感性を持っているな。)
「光ちゃんは弱いから私が守る。高橋くんはそこそこ強いみたいだから楓を託すんだ。」
「弱いからって…。」光ちゃんはへこむ。
「そこそこか、さぞかし強いんですね、侑名さんは。」
「目の前の女を犯せない童貞に私は負けないよ。」
「ふふふっ。なんだか気が楽になりました。ありがとうございます。」
(楓はもう大丈夫だな。)
「それじゃあ、そろそろ行きますか。話した通りにお願い。」
「危ない人には近づかない。これは守る。OK?」
「ああ、分かった。侑名。」
「分かりました。侑名さん。」二人はそう言い、出ていった。
「私たちも行こっか?」
「うん。侑名ちゃん。」
これからどうなるか分からない。でも、希望を持って行動するんだ。
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