第10話 調べものは見つかるの?

高橋くんに吉田先生から聞いた事を話していた。


「呪い?そんなことできるのか?」


「それが分からないからここに来て調べものをしに来たの。」


「二人にまかせて俺はこの辺を警戒しておこう。」

(高橋くん助かる。)


「ありがとう。光ちゃん、調べていこ?」


「……うん。分かった。」(ぼ~っとしてたなこの子。)


私と今川くんは今回の事に関する文献がないか?調べ始めた。


「高橋くん、カッコいいよね。」(光ちゃん。呑まれたらダメ。)


呑まれそうな光ちゃんを押し倒して、

「光ちゃん。今は私の事を考えて。私をどうにかしたい、私に触りたいとかエロい事を考えて。」


胸を押し当てて、男の欲求に訴えかける。

「分かったから、離れて」光ちゃんはものすごく恥ずかしそうだ。

(やっている事は痴女だな、私は。)


「高橋くんが離れたのは、光ちゃんがいるからだよ。その気持ちを考えてあげて!」私は怒った。


「ごめんなさい。」ものすごく申し訳なさそう。


「気持ちが落ち着くなら、私に触っていいから。」

(今の私は変態女だ!そんな羞恥心など捨てろ!侑名!)


「ごめん。侑名ちゃん!」おもいっきり抱き付いてきた。


「やればできるな。男らしいぞ!光ちゃん。」

(いい男に力強く抱き付かれて、女としては気持ちいい。)


光ちゃんはもう落ち着いたみたい。

「お互い、変態になってしまったね。光ちゃん。」


「ありがとう。僕はまだ、女の子が好きみたいだ。」 


「もし、私目当てに恵麻が来たら力ずくで犯してやれ!元に戻るかもしれないからな。」

(性行為ごときで元に戻るとは思わないが。)


「さっ、さすがにそれはできないよ。」


「いい女を抱けるのに、意気地無しだな。光ちゃんは。」


そのあと、色々調べてもそれに関しては分からなかった。

呪いではこんな広い範囲の大規模な呪術は起こせない。


でも、誰かがなにかをこの学校で起こしたって事だ。

分かったのは、

友人が少ない人には効果がほぼ無い。

精神的に自立が出来ている人には効果が薄い。


つまり、精神が弱いと影響を受けてしまうということだ。

(さっきも光ちゃんが危なかった。)

誰かを好きになったり、誰かを頼ったりして弱い所をみせたら付け込まれる。

学園は共同生活しているようなもの、精神が安定しない若者には辛いな。


騒動の犯人は愛を憎んでいて、正常な人間に潜む、サイコパスだろう。


まともな人の中にそいつがいるのか。探してどうする?

締め上げても、治せるとは限らないからな。

気持ちを持っていかれないように、男女のペアで動くのは正解だ。


「光ちゃん。ちょっとここにいて。」


「どうしたの?」


「今後の事を高橋くんと話したいから。」


「うん。僕は会わない方がいいから、待ってる。」


図書室を出た私は高橋くんを探した。その時、

「誰か助けてください!」知らない女子が叫んでいた。

(声を出したら逆効果だろ。が、見過ごせない。)


そこに向かうと、保健体育の斎藤先生が女子生徒に迫っていた。

(正気を失ったのか。顔を傷付けるのははまずいよな……。)


えい!って左腹部に飛び蹴りを入れて倒した。


「侑名!」高橋くんが来てくれた。


「高橋くん!斎藤先生を取り押さえて!」


肉弾派の高橋くんは斎藤先生を羽交い締めにした。


「どうするんだよ。これ。」


「胸か下腹部を触り倒して犯しちゃえ。」


「バカいうな!そんなことできるか!」


「女子はその辺を弄ったら力が抜けるからさっさと、やれ!」

高橋くんはとりあえずいう通りにしていった。


「君には刺激が強そうだ。この間に図書室に逃げ込め。今川くんっていう美少女風の男の子に助けて貰え。」


「はい。わかりました。」女子は逃げていった。


さてと、

「侑名~。勘弁してくれよ~。」高橋くんはギブアップ寸前だ。


「君は童貞だな。20代のこんないい女がこの状態だぞ。普通、犯すだろ。」


「それは普通じゃねぇよ!」


「大人しくなったか?」


「でも、抵抗はしなくなった。」


「じゃあ、そこの教室に連れ込んで、続きをして楽にやれ。」


「できるかー!」

(顔が赤いぞ童貞くん。)


「ん。今川くんはさっき私の体を触り倒してくれたぞ。」


「変態だなお前。」


「私は男性では無いので斎藤先生を満足させてやれない。」


「変態だろ。絶対。」


「仕方ない。先生を教室に連れていってくれ。」


「どうするんだ?」


「聞くのか?」


「いや。止めておく。」


その後、私と高橋くんで放心状態の斎藤先生を教室に連れていった。

「もう一度聞く。」


「侑名、なんだ。」


「しないんだな。」


「ああ、俺はお前とは違って変態ではない。」


「では、出ていってもらおう。」


「ああ、もう聞かない事にする。」


 高橋くんは出ていった。

(童貞の神だな。奴は。)

 まあ、相手は教師だから許してくれるだろう。

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