3章 パンデミックが発生

第7話 学校は地獄絵図だった

「お~い!侑名~。」拓真だ。


「寄るなと言ったよね?」


「なんの事だ。」


「もういい。さようなら。」


「待ってくれよ~。」


「私は拓真が嫌いなの。お分かりですか?」


「俺は嫌いじゃない。」


「会話が伝わらないようね。拓真がき・ら・い!なの。」


「助けてくれよ。高橋で頭がいっぱいなんだ。」

(無視か!拓真は頭もしくは耳が悪いのか?)


「病院に行ったら?ヤバいよそれ。」


「だよな……。どうしちゃったんだろ俺?」

(マジでヤバいことになってるし。)


「拓真?学校休んだ方がいいよ。」


「ああ、帰るわ。じゃあ…。」


「恋の病かな。重症の。」

(なにか変な感じ。)



学校に到着した時に、

ん?今日はやたら同性の人が引っ付いていないか?


「あっ!侑名~。」恵麻?

「つっかまえたよ。もう離さないよ。」恵麻に捕まった。


「恵麻っ!やめて!朝から…。」


「ムフフフ。」

(ヤバくないか?正気じゃない。)


「こうなったら。」


「恵麻~。」


「どうしたの~?ゆうな~。」


「そんなにしたいのなら、あっちで楽しみたい…。」


「逃げないから、あっちにいこ?」


「うん!ゆうなっ好き。」

 拘束が解けたと同時に恵麻との体格の力差を利用して投げた。

(ごめんね恵麻。芝生の上でなるべく痛くならないようにしたから。)


とりあえず恵麻から離れるように逃げた。

(色欲の病気かな。)


「侑名ちゃん。」光ちゃん?


今川くんがいたので近くまでいった。

「光ちゃん。大丈夫だった?」


「みんながなにかおかしい。」


「何があったの?」


今川くんが言うには、教室で同性の友人同士で抱き付いたり、性的な行為をしているのを見て逃げてきたそうだ。


「それはヤバいね。なんでこんなことになったんだろう。」


「僕は男子を見たら少しだけ気持ちが高ぶるみたいになる。」

(私は大丈夫だけど…。そうだ!)


「今川くん!恵麻の制服持ってる?」


「鞄の中にあるよ、返そうと思って持ってきた。」


「着替えなさい、今すぐ。あなたを守る事ができるかも。」


「どういう事?」


「色欲は姿見も影響するはず。男子の服に男子が欲情したりしてると思う。」


「だから、女の子っぽくしていたら、少しは増しになるはず。」


「分かったよ。着替える。」


「着替えたら、言ってね。まともな状態の先生を探すから。」


(拓真がおかしくなって、高橋くんが変な事を言ったりした。その時点で少しずつ変わっていたんだ。)

(脳内に侵入するウイルスか、生殖系統に反応するなにか?それとも、遺伝子に異常を起こすもの。情報が足りない。)


「お待たせ、着替えたよ。」

(美少女の完成だね。そんなこと言ってる場合じゃないけど。)


「これからどうするの?」

「生物の吉田先生を探す。」


「なんでなの?」

「たぶん、脳か生殖系統に異常が生じている。一番詳しいのは生物の教諭。」


「侑名ちゃん。頭が良いんだね。」

「まあまあ、普通だよ。それに吉田先生を私は買っている。」


「理科準備室に向かう。」


理科準備室に向かう途中も見たくない光景が広がっていた。

「侑名ちゃんはなぜ、なんともなくて、襲われたりしないの?」


「簡単な話。私は学校の女子の大半に嫌われていてボッチの人間だからだ。」


「北山さん以外とは話していなかったよね、侑名ちゃんは。北山さんに襲われたりしなかった?」


「うん。襲われたから投げ飛ばした。」


「頼もしいね…。侑名ちゃんは。」答えの予想を越えたようだ。

(今川くん、もしかしてちょっと引いてる?)


理科準備室に着いた。

「吉田先生無事かな?」心配する今川くん。


「あの人も大丈夫だよ、ボッチで変態だから。」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る