2章 遊園地ダブルデート?

序章 女子の朝は忙しい

「今川くん!遅いよ!間に合わないよ。」

私はイライラしていた。


「ごめんなさい。」今川くんは謝る。

「さっ!早く!」私は急かす。


「女子の朝はね。髪型のセット、服のコーデの確認、体の手入れ、お化粧とか色々あるんだから。」


「服は脚の手入れをしたあとに、私より背が高いからね。ウエストが絞れる服でくびれを見せるように。」


「ワンピでもいいけど、お尻のシルエットが出ないロングスカートかな?ここは。上半身は…男の子は胸が無いからねシルエットがごまかせるこれかな?」

(どんどん決めていかないと時間が無いからね。)


私は今川くんを着せかえ人形のようにコーデを決めていく。

「よし!できた。完璧だね。」

「かわいい。」今川くんは感動している。


次は…。

髪型からショートヘアだから。後ろはお団子にして前は少しウェーブに……。

「はい!今川くん。こんなんでどう?」


「わぁ~、すごい…。別人だね。」

(我ながら完璧だ。今川くんは元が良いからね。)



あとはお化粧をして……。


じゃ~ん。できた~!


「完成したよ。光(ひかり)ちゃん。」


「光ちゃん?」今川くんが聞き返す。


「光星だから、ひかりちゃん。」


「ひかり……。ありがとう。辻占さん。」


「侑名って呼んでね。これからは。」


「うん!侑名ちゃん。」今川くんは満面の笑みだ。

(光ちゃんの笑みは破壊力あるな~。私より可愛いし。)


「うん!決めた。私は光ちゃんの味方になるよ。」


「味方?」


「うん。拓真とくっ付けるから。」


「拓真くんと……。」


「今日はまかせてね。光ちゃん。」


「ありがとう。侑名ちゃん。」


あとは、靴かぁ~。

「よし!買いにいこう。」


「買いに行くの?」


「ちょっと遅れるけど、女子を待つのも男子の役目だからね。」


「光ちゃんに合う、かわいいローファーが欲しいかな。」


「安くてもかわいいのあるから。安心して。」



「どう?女の子の気持ちになってみて。」


「う~ん。ちょっと複雑かも。」


「だよね~。体は男の子だもんね。」


「やっぱり学校では、ありのままを見てもらうよ。」


「そっか~。残念。女の子の友達できたのにな~。」


「男の子でもよかったら、友達になってくれる?」


「うん!親友だね。私たち。」

成り行きで今川くんたちと出掛ける事になったが、友達が少ない私は嬉しかった。


よし!三角関係の戦場に行こう。

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