第5話 侑名の作戦

今川くんを超絶美少女に仕立てた私は集合場所へ向かった。


「ごめ~ん待った~。」私は待たせても悪ぶらない。


「ごめんなさい、待たせてしまって。」今川くんは申し訳なさそう。


「今川。スゴく似合っていると思うぞ。」高橋くんはクールに言った。

(内心はガッツポーズしていそう)


「高橋が言うならスゴく似合っているぞ。」琢磨は高橋推し

(琢磨さんよ~。いったいどうしちまったんだよ。)


「ありがとう。二人とも。」スゴく嬉しそう。カワイイよぉ~。


(私に対してのコメントは無いの?私は無視か!空気なのか?お二人さん。)


まあいい、BLだからな君たちは、

「二人とも、この子は光ちゃんだからね。今日は。」


「いい名前じゃないか。光。」変態硬派の高橋くん。

(高橋。呼び捨てして彼氏面すんな。)


「高橋がいうなら、いい名前だ。光ちゃん。」

(だから、拓真~。自分の意思を持ってちゃんと!)


「うん!」光ちゃんは可愛すぎだし、もうずっと女の子でいいじゃん。


一見、ダブルデート中の四人に見えるけど、男三人に私の四人だからハーレム状態。しかし、その三人の男は私に興味なし。っていうかほぼ無視されてる。


こんなことに巻き込んだ高橋+拓真を許さねぇよ。私は。

てめぇらの恋だけは邪魔してやるからなぁ。



「じゃあ、高橋くん。二人で行こうか?」私は連れていこうとして、

「ちょっと待って」高橋くんがやんわり拒否する。


「そんなに光ちゃんと二人きりになりたいの?」囁くと


「いや。二人きりは困る。話すことができない。」

(硬派の変態童貞か高橋!光ちゃんに緊張して、私に緊張しないとはどういう了見だ高橋。お前のせいで私の女子としてのプライドはズタズタだよ。)



「おい!侑名!」拓真が私たちを止めてくる。

「高橋くんは待ってて、じっと~してるよね?」牽制したあと拓真に近寄っていった。


(さっきまで無視してた癖に話し掛けるな、拓真。)

「どういうつもりだ!俺は高橋と過ごしたいんだぞ。」


「私は拓真が嫌いなの。それに今すぐ光ちゃんを連れ去って大好きな高橋くんと二人きりにしてあげてもいいのよ?ん。」


「シャイボーイの拓真くん?」


「それは困る!何を喋っていいか分からないんだ。頼む!」

(女慣れし過ぎて男相手は童貞か!女々しいな拓真さんは。)


「まずは光ちゃんと楽しく会話できるようになってから挑戦する事ね。」


「いつも通り女の子に接するみたいに光ちゃんに話して男慣れしなさい。」


「俺を一人にしないでくれよ。侑名~。」


「男なんだからしっかりしなよ~。拓真。」


私は光ちゃんに

「光ちゃん!あとは君しだいだよ。がんばって。」


「侑名ちゃん。」


「どうしたの?」


「僕、何を話していいか、分かんないよ。助けて、侑名ちゃん。」

(………。君も童貞なんだね。)


「うん。四人で行こうか。」(まさか童貞だらけだったとは。)


私のダブルデート作戦は三人の童貞たちによって失敗に終わりました。

そんなメンタルで遊園地なんか来んなよお前ら。

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