第2話 幼馴染の恋の相手はイケメン
「侑名~。」恵麻が心配して近くに寄ってきた。
「何だったの?拓真の話って」
「うん。恋愛相談。」私は衝撃告白を受けたとは言わない。
「アイツ好きな子また、出来たの?」
「今回は真剣みたいなの、一途みたいだから。」
「っで、相手誰なの?」
「占い師には守秘義務があるので教えない。」
「まっ、どうでも良いけどね。」
こんなやり取りを恵麻としていた。
私はめんどくさいけど、高橋くんの所に行った。
「高橋くん。話をしたいんだけど、時間大丈夫?」
「ああ、辻占が話してくるのは珍しいな。どうした?」
(高橋くん。爽やかすぎだよ。拓真も見習って欲しい。)
「高橋くんって今川くんの事好きだよね。」
すると、高橋くんの顔色が変わってしまった。
「どどどぉ。」
(どどどぉ?)
「どうして知っているだよ!今川には言ったのか?」
「ううん。言ってないよ。安心して。」
「それでその事を知ってお前はどうしたいんだ?」
(あれ?爽やかさが戻ってきた。)
「どうもしないよ。ただ、なんでなのかな?って。高橋くんモテるし今川くんっぽい女の子からも、告白されるんじゃないのかな?」
「俺は今川の外見も中身も好きなんだよ。アイツは本当に優しいし、気も利いてすごく理想の恋人みたいに思うんだ。」
(今川くんが優しいのは分かる。いじめられてる私にも声をかけてくれるもん。)
「アイツが女だったらって毎日思っているんだ。ある日、女子の制服を着て登校してくれないかなって。」
「そしたら、俺は告白して付き合って毎日イチャイチャできる。」
(高橋くん。私はショックだよ。爽やかな君がそんな煩悩の塊だったなんて………。)
「なあ、辻占。頼みがあるんだが。」
(この流れ、嫌な予感しかしないよぉ~。)
「俺は今川の女子の制服を着た姿がみたい。」
(でたよ。イケメンじゃなきゃ捕まるレベルの爆弾発言。)
「辻占から着てくれって頼んでくれないか?」
(男の子に着てって私が言うの?私に制服フェチの片棒を担がせる気?)
「さすがにそれは出来ないかな~。」やんわり断る。
「お前、いじめられてるだろう?お願いを聞いてくれたら、今後は俺がお前を全力で守ってやる!」
(コイツもイケメンに言われたらキュンとするセリフを言っちゃった。お願いが無ければ最高にカッコいいのだが…。)
「あの、間に合っていますんで結構です。」またやんわり断る。
「そんなこと言わないでくれよ~。俺の夢なんだよ~。」
(お前も女々しいな。最近のイケメンはこんなやつばっかなの?)
「じゃあ、俺と辻占は付き合っている事にしよう。それだけで三条のファンからの攻撃はまったく無くなるはずだ。それだけで辻占にとってだいぶメリットになると思うが、どうだ?」
(あっ。それは助かるかも。嫌がらせが無くなるのは私にとっては夢みたいな話。)
「それでいいの?高橋くんは?」
「ああ、構わない!夢を叶えるためなら!」
(高橋くん。その夢は美少年を女装させるというくだらない夢だよ。)
(君は変態のレッテルを貼られて何もかもを失うよ。いいの?)
「はあ~。分かりましたよ。頼んで来ますよ。」
「本当か!ありがとう。お前はいいやつだな。」(目をキラキラさせるな!)
「約束は必ず守る。安心してくれ!」(見た目と発言だけはイケメンだな。)
(中身は好きな人を女装させる制服フェチの変態だけど…。)
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