第8話 エピローグ

 2年後。


 今日はひなのちゃんの卒業式でもあり誕生日でもある。


 私は卒業後、IT関係の専門学校に進学し、今はブログ運営などで稼いでいるが、ひなのちゃんは進学も就職もせず専業主婦になるんだって。


 誰の専業主婦かって? 私のだよ。


 だって結婚するから。私たち。


 そのことを両親に話したら不思議なことに両親からは反対されず、『2人とも幸せにな』と言って認めてくれた。


 その時は私たちは抱きしめ合って泣いて喜んだ。


 ひなのちゃんの卒業式終了後、私たちは家から徒歩1時間の海岸に来ている。


「卒業式からそのまま浜辺散歩デートっていいよね! なんか高校生最後の日を満喫してるみたいで! 」


「あ〜、わかる! 私の時もそれ思った! 」


「えへへっ! やっぱり姉妹で恋人は同じこと考えるんだね! 」


「そうだね! 」


 そんな会話をしながら私とひなのちゃんは恋人繋ぎをして歩く。


 そしてあるところで私は止まる。


「どうしたのお姉ちゃん? 」


 ひなのちゃんは心配そうな表情で聞く。


「私、ひなのちゃんが私に冷たい態度をとってるときに、『ああ、私嫌われちゃったんだ』って思ったんだよ。だから私いつも『もう一度ひなのちゃんと仲良くしたいなぁ』って思ってたんだよ」


 ひなのちゃんは俯いて静かに涙を流しながら私の話を聞く。


「でもさ、結果的には形は違うけど仲良くなれたしいいかなぁって思ったんだ〜! 」


 ひなのちゃんは顔を上げる。


 私はポケットから白い箱を取り出す。


 綾奈目ひなのさん。ずっとそばにいたいので私と結婚して下さい」


 私は箱を開ける。


「……っ! それは、わたしのせりふだよぉ……」


 ひなのちゃんは泣きながら言う。


「はいっ! 私、綾奈目ひなのは中咲すみれと結婚します!!! 」


 そして泣きながら満面の笑みで言う。


 私は婚約指輪をひなのちゃんの右手の薬指につける。


「お姉ちゃん、これから死ぬまで一緒だよ? 」


「私はもうお姉ちゃんじゃないよ。ひなのちゃんと結婚するんだから。だからちゃんと『すみれ』って名前で呼んでね? 」


「うん! すみれちゃん、これから死ぬまで一緒だよ! 」


 私の住むマンションに帰ると私たちは簡易的に結婚式を挙げる。



 今、私たちはベッドの中。


「ねえすみれちゃん。なんですみれちゃんからプロポーズしたの? 」


「卒業式と誕生日と結婚式を一緒にするといい思い出になると思って。ダメだった? 」


「ううん。嬉しいよ! 」


 するとひなのちゃんが繋いでいた手を離して私の腕に抱きつく。


「明日から新しい関係の始まりだね! 私、頑張るね! 家事とか! 」


「じゃあ私もより一層お仕事を頑張るよ! 」


「頑張りすぎて身体からだを壊さないでね? 」


「わかってるよ! じゃあそろそろ寝よっか! 」


「うん! おやすみすみれちゃん! 」


「おやすみ、ひなのちゃん」


 私は新しい生活に胸を躍らせながら眠る。


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妹から嫌われてると思ったら姉の私のことが好きすぎてやばい件について 猫と犬が好き @nikuoisi

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