第7話

 週の初めの月曜日。


 みんなは朝から憂鬱なんだろうが、私は憂鬱ではない。


 だって、朝から可愛い寝顔が見れるから。


 私は隣で寝ているひなのちゃんのほっぺをつんつんすると私に抱き着いてくる。


「ほら、起きないと遅刻するよ」


 私は優しく体を揺さぶると目をこすりながら起き上がる。


「おねえしゃん、いまなんじ~? 」


 寝起きの声で聞く。


「今は午前6時30分だよ」


「そうなんだ~、お姉ちゃん起きるの早いね~」


「昨日は早く寝たからね! 」


 するとひなのちゃんが「お姉ちゃん偉いね~」と言いながら頭を撫でてくれた。


 純粋に嬉しかった。


 その後は顔を洗い、一緒の部屋で制服に着替える。


 そして私とひなのちゃんはお揃いの髪形にする。


 ちなみに今日はひなのちゃんがいつもしているハーフアップにする。


「どうかな? 私似合ってる? 」


「うん! 可愛いよ! 」


 その後は一緒にご飯を食べて学校に行く。もちろん腕を組みながら。



 私は教室に行くとかしわちゃんに妹のひなのちゃんと付き合うことになったと報告すると「おめでとう! 」と祝福される。


「ところで、今日はポニーテールじゃないんだね」


「うん、ひなのちゃんの提案でね」


「バカップルだね」


 そんな会話をしていると「お姉ちゃん浮気? 」と冷めた声が聞こえる。


「親友だよ。ね? 」


「うん。私も付き合ってる人いるし」


「そうなんですか」


「お姉ちゃんに罰ゲームとしてチャイムが鳴るまで私のことを膝の上にお姉ちゃんと対面で座るね」


「わかったよ」


 対面で座るとひなのちゃんは私の頬にキスをする。


「しちゃった♪ 」


 するとかしわちゃんは「やっぱりバカップルね」とニヤニヤしながら言う。


「ひなのちゃん、公衆の面前ではやらないでほしいな。恥ずかしいから」


「じゃあ、お姉ちゃんも私にキスすれば? そうしたら恥ずかしくなくなると思うよ? 」


 私は少し迷った挙句、頬にキスをすることに決めた。


「どう? 恥ずかしくなくなった? 」


「余計恥ずかしくなったよ! 」


「じゃあもう一回する? 次は唇に♪ 」


「やらないよ!? 」


 かしわちゃんは私とひなのちゃんの会話を微笑ましそうに聞いていた。



 同日昼休み。


 私はひなのちゃんとお昼ご飯を食べる。


 今度は会話したり、あ~んしたりして楽しく。


 食べ終わるとひなのちゃんが私の肩に頭をのせて右腕に抱き着く。


「ねえお姉ちゃん、少し寝ていい? 」


「いいけど、チャイムが鳴っても起きなかったら恥ずかしいことをして起こすけどいい? 」


「うん……。おやすみ」


 耳元から可愛らしい寝息が聞こえてくる。


 ちなみにチャイムが鳴る前に起きてしまったので恥ずかしいことはできなかった。



 放課後、私たちは一緒に家に帰る。


 そして私の部屋に入るとひなのちゃんが「下着で膝枕して」とリクエストしたのでやる。


「お姉ちゃんいい匂いだね」


「匂いを嗅ぐな」


「いいじゃん。姉妹で恋人同士なんだし」


「ひなのちゃんは匂いフェチなの? 」


「お姉ちゃん限定だよ♪ 」


 私はそんなことを言うひなのちゃんの頭を撫でる。


「ねえ、お姉ちゃんの股間に顔をうずめてもいい? 」


「それをやったらノーパンにしてトイレに行かせないからね? 」


 ひなのちゃんは頬を赤らめる。


 想像するなよ。


「ねえ、やってもいいから股間に顔をうずめていい? とゆうかやる」



 ちなみにこの週の土曜日私が言った罰ゲームをやったら大惨事になりました。


 本人の名誉を守るために誰がとは言わないけど。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る