伝説的バンドと謳われるソニアモルトに憧れてギターを弾き始めた少年、篠宮修志。
修志はある日の放課後、義手のギタリスト、石川彩音と出会う。 (紹介文より)
出会った二人がバンドを組み、CD アルバムを作り上げていくまでのお話です。
音楽をやっている人だけが書ける、演奏者としての難しさや戸惑いがリアルに描かれ、音楽への情熱を間近に感じます。素敵なメロディラインを聞いたときの高揚感、音の透明さや繊細さ、そして演奏し終わった瞬間の笑顔--。
読んでいると、二人が目指す音が聞こえてくるようです。バンドの中での人間関係の難しさなど、緊張感を感じさせつつ、それでいて爽やかでみずみずしい文体に心地よく引き込まれます。
読み終わったときには、暗い夜から明けた朝の、清々しい風の中にいるような気持ちになること確実です!