たかが詩じゃないか

詩音 悠

『あなたが好きだった』

ありふれたカフェで 一人あなた待っている

冷めたコーヒー ぼんやり見てた

翳り出す陽射し 時間だけが過ぎてゆき

春の嵐 胸を揺さぶる

憎しみなのか愛なのか 

傷つけあっただけなのか

運命は別々なの 

ただそれだけなのね

押し寄せる後悔の波に のまれてゆく 

だけど私 あなたが好きだった



鉛色の空 雨の匂い包まれて

ありきたりの 恋物語

始まりがあれば いつか終わる時も来る

今がそうよ 長い沈黙

憎しみなのか愛なのか 

傷つけあっただけなのか

淋しくてやりきれない 

ただそれだけなのね

残酷な慰めの言葉 聴きたくない

だけど私 あなたが好きだった



諦めの気持ち 胸の中で高まって

痛みだけが 迸るのよ

とめどなく涙 溢れそうで悔しくて

命がけで 愛してたのに

憎しみなのか愛なのか 

傷つけあっただけなのか

あっけなく終わったのね 

ただそれだけなのね

ほろ苦い思い出と共に 待ちわびたの

だけど私 あなたが好きだった

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