第3話 レベルアップと決意
バシュッ!
蒸発するような音を立てて骸骨魔剣士(スケルトンエース)が姿を消す。
(上手く行った)
〔ターンアンデッドクロス〕はアンデッドを消滅させる魔法だ。いくらレベルが高くても骸骨魔剣士(スケルトンエース)はアンデッドだから、この魔法の前では無力に近い。
(〔ターンアンデッドクロス〕はLv50までのモンスターが対象ってなってたけど、Lv52の骸骨魔剣士(スケルトンエース)が一発だったのは〔聖属性超強化〕のおかげかな)
まだまだ分からないことがあるが、まあおいおい……
◆◆◆
レベルが上がりました。
◆◆◆
おっ! やった!
◆◆◆
レベルが上がりました。
◆◆◆
えっ?
◆◆◆
レベルが上がりました。
◆◆◆
わっ!
◆◆◆
レベルが上がりました。
◆◆◆
ちょっ、待って!
◆◆◆
レベルが上がりました。
◆◆◆
◆◆◆
レベルが上がりました。
◆◆◆
◆◆◆
レベルが上がりました。
◆◆◆
·
·
·
ふう。やっと収まった。
(ステータス!)
さてどうなっているか……
◆◆◆
フェイ<パラディンロード>
Lv 12
Hp 2782/2782
Mp 1755/1755
Str 668
Dex 723
Int 630
Mnd 724
Vit 631
Agi 640
luk 701
スキル
〔グランドクロス〕
〔デュアシールドアタック〕
〔デュアカバーガード〕
〔ホーリーライト〕
〔ターンアンデッドクロス〕
〔ピュアヒール〕
〔ピュアフレッシュ〕new!
〔アンデッド超特効〕
〔聖属性攻撃超強化〕
〔近接攻撃超強化〕
〔盾防御超強化〕
〔回復魔法強化:特大〕
スロット
〔アイテムボックス〕
〔超鑑定〕
〔アクロバット〕
◆◆◆
な、なんじゃこりゃ。
(Lvはまあ、1だったわけだしこんなものかも知れないけど……)
思った以上に無茶苦茶なステータスになってしまったな。
(骸骨魔剣士(スケルトンエース)と何度か戦えば、結構Lvが上がるかもな)
大体ここはLv50〜60代のパーティが挑むような場所な訳だから、魔物と戦って得られる経験値は多めだ。
(いや待てよ、それよりも)
この時、俺はレベルアップするよりも先にすべきことがあることに気がついた。
(今ならアレを大量にゲット出来る!)
※
「……やりすぎたか」
俺の手元には大量の託宣の聖印。しめて五十個。〔アイテムボックス〕に入れられる限界ギリギリの量だ。
(〔アイテム再生〕→骸骨魔剣士(スケルトンエース)を倒してレベルアップ→〔アイテム再生〕を繰り返す作戦自体は上手く行ったけど)
正直途中から託宣の聖印が集まるのが面白くてついつい集めすぎてしまった。
(今必要なのはこんなものじゃないよな)
俺は託宣の聖印をアイテムボックスにしまいながら反省した。
(食料は五日分しか用意してないから、五日以内に帰還出来る計画を立てないと……)
強くなった、そしてこれからも強くなれるということに浮かれてしまって肝心なことを忘れてしまっていたのだ。
「一体どうやったら五日以内に一階まで帰れるんだろう……」
言っては見たが、そんなのは無理に決まっている。ステータスが上がろうが、スキルを覚えようが関係ない。単純に一階まで距離がありすぎるのだ。
(魔物と戦ったり、罠を警戒したりということを考えたら、一人だと一日五層移動できるかどうかと言ったところか)
最もこれはかなり甘い見積もりだ。僕には今仲間がいないことに加え、ここは最下層。魔物の強さ、罠の厄介さは勿論、通路の複雑さも僕が今まで入っていたダンジョンとは段違いに高いのだ。
(戻るのは駄目……だとすると)
!
我ながら恐ろしい考えだ。無謀でもある。ついでに言えば、正気とは言えない発想だ。だが……
(この最下層エリアにいるダンジョンボスを倒して地上に帰還する。これしかない……)
未だほとんど攻略されていない大迷宮、黄昏の迷宮。そのダンジョンボスに一人で挑む……
(やべっ、なんだか楽しくなってきた)
僕が冒険者になりたかったのは強くなりたかったからだ。冒険譚が好きだった僕は昔から苦難の末に偉業を果たした剣聖や神秘の技で闇を払った賢者などといった英雄に憧れていた。
自分がアイテム士というハズレクラスだということがわかってもその憧れを捨てされず、冒険者になってからはひたすら努力した。
スキルがないなら自分で剣術を磨けばいいと考えて必死に修業したし、アイテム士の力を活かそうとアイテムについて学んだ。報われなくてもただひたすら。
(でも、今は違う!)
今、自分には力があり、さらにはもっと強くなれる可能性もある。
(そして、目の前にはそれらを試す絶好の機会がある!)
今、僕のやる気スイッチが完全に入った!
(よし、まずはフロアマップを作ろう。それからレベル上げをしながらスキルをどんどん使っていこう)
アイテムや装備に不安がある現状、フロアマップを作りつつ、他に宝箱がないか探すというのは優先度が高い。
レベリングは必須だが、スキルの威力、効果、クールタイム等々を知ることも重要だ。
(スキルを試すのは〔ターンアンデッドクロス〕が効く相手がいいな……じゃあ、骸骨魔剣士(スケルトンエース)以外にもそんな相手がいるか探そう)
僕は……いや、俺は今、新たな一歩を踏み出した!
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