第6話石田屋事件
僕らはタクシーに乗っていた。
「メグちゃん、出会って2日目なんだけど、もう2回も飲みに行くって信じらんないね?」
中川は、
「これは、きっと
「ま、無くはない話しだけどね。出会って2週間で結婚したヤツいるし」
「細かい事は
僕は頭を掻いた。
「トンマのマントに誘われて~わ~るい事してるでしょ♪」
「ア~ウ~」
「キャハハハ。タカちゃんさすが。いい相方出来たな~」
そうこうしているうちに、石田屋へ到着した。
「はい、お客さん3850円です」
「運転手さん、一万円札出していい?」
「勘弁して下さいよ!」
僕はムッとした。
「細かくなるよ」
「いいですよ」
「じゃ、2000円はいっ。で、500円玉。100円玉え~と800円。50円玉と5円玉。1円玉5枚」
「えっ、お客さん1円ですか?」
「言ったじゃない、細かくなるよって!」
ようやく、タクシーを降りると石田屋へ2人は入店した。
旨そうな匂いがする。
「メグちゃん、ここ赤星あるんだよ!」
「赤星?何?」
「サッポロのラガーだよ」
「相変わらず、タカちゃん渋いね。ホントに新卒?」
「信じてよ、K大学の法学部だよ!」
「卒論は?」
「テロリストについて」
お待ちどうさま~、赤星2本ととんちゃんです。
僕らは互いに手酌で飲めるようにした。
「じゃ、乾杯!」
「うわっ、このビール美味しい。覚えとかなきゃ。サッポロの諸星!」
「違う違うしかも古い、アカホシ!」
我々はしばらく、とんちゃんをつまみに、互い2本目を注文した。
「ねぇ、メグちゃん、どうして泣いたの?」
「え?何の事?」
「車の中で」
「……あ、あれね。タカちゃんが優し過ぎたから」
僕はコイツが爆弾娘だと認識していたから、深くは聞かなかった。
また、スケープゴートにされてしまいそうだからだ。
「明日からタカちゃん休みだよね?一週間」
「うん、課長が一週間って言ってたね」
中川はとんちゃんを咀嚼しながら、
「タカちゃん家に、一週間通っていいかな?それじゃご飯も買えないでしょ?わたしが作ってあげる」
僕は戸惑った。
「じ、じゃお願いしようかな?」
「嫌いな食べ物ある?」
「うん、トマトが苦手」
中川はフフフと笑った。
僕ら相当飲んで、またタクシーで自宅まで帰ろうと店を出た。
すれ違いざま、方がぶつかった。
「お兄ちゃん、ごめんな!」
「いえいえ、こちら……か、課長!」
最悪だ、また会社の人間と会っちまった!
「なんだ、平松。……中川君も一緒か?」
「はい、今夜はケガさせたお詫びでこちらにさそいました!」
本当は僕が誘ったのに、誤魔化してくれた。
「気を付けて帰れよ平松。一週間で足治せ」
羽弦課長は入店した。
僕はメグちゃんに抱えられて、帰宅した。
いい子なのか?どうなのか?分からなくなってきた。
ま、明日、来てくれたらいいんだけどな。
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