第8話「Another story〜明日香の気持ち〜」
「ねえ璃緒〜。」
「どしたー明日香。」
「いつか絶対付き合うよな、あの2人。」
「さあ、でも今年中にはじゃない?知らんけど。」
今日は千春は病院のため学校を早退していた。そのため帰りは部活が終わった璃緒とそれを待っていた私だけだった。
「でもさ、案外あの2人ってくっついたらめちゃくちゃお似合いじゃない?」
「確かに、なんだかんだうまくやっていきそうだよね。」
「どうしよう!千春に先越されちゃう!華のセブンティーン謳歌したいのに〜!!」
「はいはいわかったから、もう、うるさいなぁ。…でも、あの千春が恋か。なんか自分の子どもの青春見てる感じ。」
と璃緒が感慨深いような雰囲気を出しながら言う。
これを聞いた時、私は少し驚いた。実を言うと私も同じようなことを思っていたから。
こう言ったら聞こえが悪いかもしれないが、私からしたら千春は耳が悪いため、少し世話がかかる妹のようだった。一人っ子の私の心をくすぐるものがある。
「そうだね、まさか私たちの中で千春が1番早く春が来るとは…やっぱり千春って名前だからかな!?」
「関係ないから。でも、もしそうなったら全力で応援するよ。」
この言葉を聞いて、あの2人に1番くっついて欲しいと思っているのはもしかしたら璃緒なのかもしれない、そう思った。
「もちろん。全力で応援して、全力で祝って、もうとにかく全力で感情共有しまくる!!」
「だーかーらそこまでしなくていいって、ほんっとにあんたは自分の興味のあることだけめちゃくちゃ熱くなるよね。」
と璃緒が珍しく声を上げて笑った。
なんとなく明日は3人で幸せな日になるような、そんな気がした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます