第5話

次の日、私は1人で学校に行くとちょうど校門の前で明日香に会った。


『明日香、おはよう!璃緒は?』


「『お、千春〜!おはよう!璃緒は今日部活の朝練だってさ。』」


『あ、そっか今日朝練の日か。』


璃緒は普段は自分の世界を持っているポンコツなところがあるけど、頭は良いし弓道部でもそれなりの成績を残している。


「『私中学で燃え尽きて高校はやらないって決めてたからさ、たまに璃緒見てるとすげーなって思うんだよね。』」


『そうなんだ、私も部活やって見たかったな〜。』


「『うーん、手芸とかならできそうじゃね?』」


『あー、確かにね、お家でもできそうだし。でも今はいいかな!』


「『なんでだよ!結局やらないんじゃん!』」


こんな事を話しながら教室へ入っていくが、実際部活をやりたいのは本当だ。ただやっぱり耳のことが気になる。だから部活をやるというのは今まではない選択肢だったのだ。


教室へ入り席に着くが先生の考慮で私達3人が引き離されることはほとんどなく、私達は常に一緒にいる。


「『てか今日高瀬来んのかな?絶対こなさそうだけど。』」


『来なくても私が食べればいいんだし、お礼もいつでもできるからね。』


「『そっかー。ま、千春がそれでいいならいいんじゃない?』」


「おーはーよっ、『千春、おはよう。』」


急に私と明日香の間から手が出てきたと思ったら璃緒が朝練から帰って来たみたいだ。


『おはよう、朝練お疲れ様。』


「『ほんとだよー、なんで朝からやらなきゃいけないんだ…。あ、多分高瀬は今日来るわ、朝見かけたから。』」


「『まじかナイスじゃんお前!』」


「『うん明日香が喜んでどうする?』」


「いやあのね、私千春と高瀬なんかあるんじゃないかなって予感してんのよ。女の勘ってやつ〜??」


「明日香はほんとに…そういうのって大体外れるからね?しかも大雑把だし。」


2人で何か話しているが何を言っているのかあまり分からない。


『なになに?何の話?』


「『ん?これからが楽しみって話♡‬』」


そう言われたが、結局なんのことかはさっぱりのままチャイムが鳴りHRが始まった。


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