23.双剣の暗殺者
【発展クエストを難易度Aにてクリア!】
発展クエスト完了のウインドウが表示されたが、内容が今までのものとは若干異なっている。
どうやら俺は、複数ある条件の中でも難易度が難しい方でクリアできたようだ。
まあ、教官NPCの発言からなんとなく条件は読めていたけどな。
「制限時間内で生き残れれば難易度C、一人以上を倒して生き残れれば難易度B、全員を制限時間内で倒せれば難易度A、こんな感じかな」
だからこそ、俺は三人の暗殺者NPCを倒してクリアしようと思っていた。
あのクリア報酬の表示も、クリアした難易度によって内容が変わるからこその【????】だったのだ。
「おめでとう! いやはや、まさかここまでやってしまうとは驚きなのである!」
「おめでとうなのにゃ、ご主人様!」
「それで? 報酬は何なんですか?」
「……がっつき過ぎであるなぁ」
「ご主人様、もっと喜ぶのにゃ」
いや、だって、気になるじゃんよ、報酬。
「ゴホン! ではまず、転職を完了させるのである! 今回は隠し転職の課題をクリアしたということで――【双剣の暗殺者】への転職を行うのである!」
……双剣の暗殺者? 聞いたことがない職業だな。
まあ、この課題に挑戦したユーザーも失敗したって話だったし、きっと俺が最初の転職者なんだろう。
そんなことを考えていると、俺の体から金色の光が溢れ出してきて、不思議と力が漲ってくる感覚を覚えていく。
「目覚めるのであーる!」
――ドンッ!
……変な音頭があったのはさておき、俺を中心に金色の光の柱が立ち昇り消えていくと、ようやく転職は完了した。
俺はすぐにウインドウを開いてステータスを確認する。
「……はは、すごいな、これは」
転職を行うと、基本ステータスに職業補正の数字が加えられて表示される。
ステータスポイントを敏捷にしか振っていなかった俺の場合だと、残りのステータスは全て同じになっていた。
だからなのかもしれないが、各ステータスの上り幅が尋常ではないことがすぐに理解できてしまった。
■名前:レヴォ ■レベル15
■職業:双剣の暗殺者
■HP740/740
■MP490/490
■筋力74(+10) ■敏捷176(+65)
■知能99(+15) ■体力74(+25)
■精神力99(+15)
■ステータスポイント0
■スキルポイント37
■装備:隼の短剣、漆黒の外套、闇精霊のズボン、黒蛇革の靴、幻惑の指輪、下級風精霊の指輪
■アクティブスキル
・瞬歩 0/5(5メートル以内の場所に一瞬で移動する。5回分のストックあり、3時間でストックが1回復する)
・マッピング(ダンジョンのマップを作製できる)
・エコー(反響を利用してダンジョンの構造を把握、見えないところの相手を見つけることができる)
・暗視(暗闇で視界を確保する)
・アナライズ(対象物を解析することができる)
■パッシブスキル
・敏捷上昇(15%)
・暗殺剣(弱点に命中するとダメージが三倍になる)
・二刀流(左右の手に武器を装備することができる)
HPが500、MPが250、筋力と体力が50、知能と精神力が75、敏捷が100も増えている。
スキルに至っては三つ増えており、元々獲得していた敏捷上昇が10%増えており、パッシブスキルの暗殺剣と二刀流。
二刀流は職業名から納得のスキルだが、何より嬉しいのは暗殺剣だろう。
弱点へのダメージが二倍から三倍に増えるとなれば戦闘がだいぶ有利になる。
特に敏捷に全振りしている俺としては高速軌道からの連撃、しかも二刀流での連撃となればダメージは実質六倍とかになるだろう。
「これ、順調に成長させたらゴールド以上になれるんじゃないのか?」
乗っ取り野郎を叩き潰すために作ったセカンドキャラのレヴォだったが、もしかするとを考えられるだけの成長を遂げている。
……これ、まだ初日なんだけどな。
「もう一つの報酬である! これなのであーる!」
【中級闇精霊の腕輪(伝承級):敏捷+20、知能+20、精神力+20】
【アクティブスキル:ダークエッジ 消費魔力30(闇の刃を影から生み出し攻撃する)】
……マジで? 伝承級の、アクセサリー?
運が良すぎて、そろそろ罰が当たるんじゃないだろうか。
「これからも暗殺者としてしっかりと励むように! 以上なのであーる!」
「ご主人様! お疲れ様なのにゃ!」
「……お、おう。ありがとな、ニャーチ」
なんだろう、この二人の緊張感のなさは。
まあ、これがAIのNPCってことなんだろうな。
「……一度ログアウトするか。うん、そうしよう」
最初こそゴールドがギルドを立ち上げるという記事を見て衝動的にログインしたのだが、結果的にはそのおかげでダンジョン発見や隠し職業への転職など、多くのものを得ることができた。
明日になれば伝承級ランダム霊獣の卵も孵化するだろうし、そうしたらまたレベリングだ。
……ヤバい、考えるだけで楽しくなってきたわ。
これ以上考えてしまうとログアウトできなくなりそうだったので、俺は思考を無にして今度こそ本当にログアウトしたのだった。
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