Ep.6~眠る埋蔵金を探せ~
男を尾行して寒さに耐えながら男を一日中追いかけまわして、遂に11時を迎えた。
補導される時間だとかなんとかは、言わないお約束ね(*´ε`*)チュッチュ By作者。
「なんとか、追っかけられたね」物陰に身を隠しながら、リリは手ぐすねを引いて埋蔵金に出会える瞬間を待つ。
「でも、どうします? 相手は武闘派にしか見えないんですけど」
徳田は女子二人を守らなければならないが、自分一人でそれが実行できるか弱気になる。
「大丈夫。私は海外マフィアとやり合った経験あるから」と燐は徳田を励ます。
「ホントにぃ?」リリは訝しんだ目で燐を見る。
「ホントだし。何だったら、ここに居ないあのバカに聞けば?」
「え~」
「二人共、どうやら始まるみたいですよ」
徳田の発言を受け、埋蔵金が埋まっているであろう場所に集まる男達に目を向ける。
「おい、ここなんだな?」喫茶店で説明を聞いていた男が質問すると「はい。このゴミの山の中に」と説明していた男が答えた。
「掘り出せ」
その命令を受け、取り巻きたちがゴミを漁っては放り投げて埋蔵金を取り出すために掘り進める。そして、遂に埋蔵金が掘り出された。
「うっ! 重い!!」埋蔵金が入ったと思われるジュラルミンケースを抱えながらよろける。
仲間の男達がよろける男に駆け寄り、手助けする。
そして、ジュラルミンケースは3個掘り出された。
「ねぇ、本当にあの中に埋蔵金あるの?」
「元々、入っていた容器がボロボロになっていたんじゃない?」と困惑するリリに燐が答えた。
「羅猛さんの言う通りかもしれません。ここは様子を見て隙を見つけて奪いましょう」
「徳田君、甘いね」燐はそう言いながら、徳田が着ているコートの内ポケットに扇子が入っているのが目に入った。
「これ、借りるよ」
徳田の内ポケットから扇子を取り出した燐は扇子を広げ、男達目掛けて投げた。
すると、何故か扇子はピュゥ~っと男達の方へ綺麗に飛んでいき、指示役の男に当たった。
「痛っ! 誰だ!!」
扇子が飛んできた方に全員の視線が向く。暗闇の中から「徳川の埋蔵金を盗み出し、悪事に利用する不届き者。断じて許せんっ!!!」そう言いながら拾った模造刀を持った燐が姿を現した。
「お前、何者だ?」
明かりもなく燐の顔がよく見えない中、指示役から質問された燐は「余の顔を見忘れたか?」と答えた。
指示役は暗闇に目を凝らすと、何かに気づいたらしく「あっ!!」と声を出す。
「ボス!!」
「えっ! ボス!?」
「ボスだってよ」
男達は口々にそう声を出して反応する。
「いや、待ってください。ボスは絶対に姿を見せない人です。そんな訳ないです」説明役だった男がそう告げると指示役の男は我に返り「てめぇ、ボスの名を語るとはふざけた奴だな! お前ら、やっちまえ!!」と指示を出す。
「仕方ないか・・・・・・」
燐は鞘から刀を抜くと、刀の峰を外側に向けて構える。
「死ねっ!!」
先頭を走っていた男が鉄パイプを振り下ろし、それを華麗に避け峰を鳩尾に叩き込み男は気絶し倒れた。そこからは燐の独壇場であった。次々に襲い掛かってくる男を切っては倒し切っては倒しと華麗な太刀裁きであっという間に指示役の男以外はノックダウンさせた。
「動くな!」指示役の男は拳銃を燐に突き付ける。
「刃物に飛び道具とは卑怯じゃないの?」
燐は刀を地面に投げ捨て、両手を挙げる動作しながら服の袖にしまっていたダーツの矢を取り出して両腕が上がった瞬間に男の拳銃目掛けて投げる。
「ふざけんじゃねぇ!」
男が引き金を引いたタイミングでダーツの矢が銃砲に刺さり、暴発した。
「グワーッ!」
負傷した腕を押さえながら、指示役の男は地面に崩れ落ちた。
「え! 埋蔵金じゃないじゃん!!」
燐が格闘している隙にジュラルミンケースの元へと駆け寄っていたリリが大声を出して驚く。
「ウソっ!!」慌てて駆け寄り、その事実を確認する燐。
「どういうことでしょうか?」徳田も困惑しているとパトカーのサイレンが聞こえてきた。
パトカーのヘッドライトが燐達を照らす。
「はい。ごくろうさん」
パトカーの助手席から降りてきた佐藤田警部補がそう三人に告げた。
「どういう事?」三人は互いの顔を見て同じを事を言うのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます