Ep.7~眠る埋蔵金を探せ~

 男達の言う徳川の埋蔵金とは、銀行強盗の隠語で奪った三億円の事であった。

 燐達が解放された後に発生した強盗事件で奪われた三億が仲間割れを起こし、東村山のゴミ集積場へと隠された。それを捜索していた奴が奇跡的に見つけ出し、それを報告していた時に燐達に盗み聞きされたのだ。

 そして、彼らは闇バイトの応募で集められた若者達で計画立案者が専業主婦の女性であったので燐をボスと勘違いしたというわけだ。

 そして、佐藤田警部補は燐達が悪さをすると思い、明野巡査に尾行させていたのだ。

 そのおかげで、迅速な逮捕へと繋がった。

 とはいえ、当初の目的である徳川の埋蔵金をゲットできなかった高校生三人はというと・・・・・・

「感謝状贈呈だって」リリは不服そうに言う。

「そう簡単に大金は手に入らないって事ですね」

「そうだね」燐はガクッと肩を落とす。

「そう肩を落とさないでください。僕には切り札があるんです」

「切り札ぁ~」女子高生二人は声を揃えて徳田を見る。

「宝くじです。ナンバーズを研究してまして。今度こそ、当たると思います」

 燐は断ろうと思っていると横に居るリリは目を輝かせて「ホント!!」と興味津々といった顔で徳田の話を聞こうとする。

 そんな友達を見て燐はこの切り替えの速さが羨ましいと思うと共にここに居ない私立探偵も同じタイプの人間であったことを思い出しフフッと口元が緩むのだった。


                                    完

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