第5話 恐怖心

ミツ子は友達にそっくりな人から名前を聞き出せなかった。

なぜなら聞いたらダメな気がするから。

ミツ子はその人の事を " A " と勝手に名前を付けた。本人には聞かれないようにミツ子だけの秘密にした。


A達とミツ子含め5人ほどだった。

みんなの思う事は1つ。

" ここから離れて逃げる "

それだけだった。


ミツ子1人ではないという安心からミツ子は勇気を振り絞って玄関を開けて様子を見ようとしていた。


そのとき


ミツ子が恐れていたウサギの着ぐるみを着た人がこちらにゆっくりと歩いてきていた。


恐怖のあまりミツ子は飛び出してしまった。

夢中で走った。

が、ウサギはミツ子の方ではなくA達の方に向かっている。

A達は恐怖で逃げれない状況だった。


そんな中ミツ子は焦げ臭い匂いに気づいた。

匂いの元を辿るとA達のいる家から匂っていた。

ミツ子は火が出ている場所を見た瞬間大声で


「逃げろ!!!」


そう言ったがA達の足は動かない。

ウサギも近づいている。

もうダメだと思った時、ウサギがA達の前で止まった。


…ガサゴソ…ガサゴソ…


ウサギは手に持っていた袋の様な物を上に上げた。


…ジジ…ジーー………


ウサギはチャックを開けた。

私はこれ以上見たらダメな気がして見ずにA達を置いて無我夢中で走った。

走っている時に聞こえたA達の悲鳴と共に嘔吐する音が聞こえていた。

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