第56話 宇宙からの使者Mr.セブン


#スタートレック #ミスターセブン #1970年代 #エンタープライズ #カーク船長


主人公 ミスターセブン  脇役 カーク船長

 

印象に残ったセリフ

スポック「この時代の地球には、重要な問題が山積しています。今日は大問題となる暗殺事件が起こり、またアジアの某国でクーデターが行われるでしょう。

さらに地球にとって危険なのは、合衆国によって核弾頭を装備した衛星が打ち上げられることで、

これが成功した場合、反対勢力も対抗手段に出るでしょう」

カーク船長「たしかこの時代では、核装備衛星がもっとも重要な問題となっていたな?」

スポック「はい、そうです。もし空が水爆でいっぱいになった場合、万一わずかなミスで

そのうちの一つが落下したら、地球は核戦争で自滅してしまいます」




ストーリー

歴史の調査のため、1975年の地球に戻ったエンタープライズ。そこへ突然20世紀の背広姿の男が転送されてくる。ゲリー・セブンというこの男ははるかかなたの惑星から地球の自滅を防止する任務をおびていた。逃げたセブンを追ってカークとスポックはニューヨークへ向かう。



感想(ネタバレ注意)

 第二シーズン最終回です。 

 水爆戦争の危機。それは、この当時においては、もっとも身近な危機でした。

スタトレの歴史では、70年代に水爆戦争になりかけたことになっていますが、

実際の歴史では、1962年、当時のソ連がキューバに攻撃用ミサイルを設置、

その当時の大統領ジョン・F・ケネディと、ソ連の指導者フルシショフが

核兵器のボタンを押す寸前まで行ったのです。


このエピソードの見どころは、そんな歴史的背景を念頭に入れると

より判りやすいシーン続出です。

核兵器を搭載した衛星が、いまにもうちあげられようとしている。

それを邪魔しようとするセブンと、

その真意を誤解して、セブンを拘束しようとするカーク船長。


過去において、いちばんの危機にさしかかったアメリカ。

セブンは、とある惑星から、この時期に

人類を救うためにやってきたと主張します。


カーク船長はそれを信じず、セブンの任務をじゃまします。

もともと、カーク船長には、不干渉命令(自分の惑星の過去も含めて)

というものが念頭にあったので、

なかなか、信じられなかったのかも知れません。


ところでこのエピソードでは、

ロケット発射シーンがリアルに描写されています。

NASAなどが協力したのでしょうか。

男の子が熱狂しそうです(滝汗)


言葉を発しただけで、自動的にタイプライターが作動するシーンは、

いまのスマホの音声入力と似ています。

60年代にはスマホなんてなかったから、

昔の人が想像する限界はありましたが、

彼らの考える未来のガジェットを垣間見ることが出来て、

個人的には面白かった。


しかし、ひとつだけ気になることが。

このエピソードでは、水爆が地上165キロメートルで爆発し、

「地上に落下しなかった」ので「助かった」ことになっています。


ところが原爆は地上600メートル上空で爆発し、

大勢の被爆者を出したのです。

悲惨な当時の話は、ここでは書きませんが、

この話における水爆が落ちた地点がどうなったのかを考えると……


なんであれ、核兵器が廃絶されたスタトレ的な未来が

現実にはまだ来ないのが、広島人としては残念です。

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